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紫竜号
「どうも!」
明るい声で、橋本が言う。これまで楽しい旅の日程だった事の証明のように、2人とも華やかに会話が弾む。
「ねえ、どうだったの?講演」
香織が聞く。
「ああ、大成功だった。素晴らしい博士達とも出会えて、有意義な日程だったよ」
香月も明るく答えた。
「ねえ・・香月さん。香織とも色々話したんだけど」
橋本が言う。
「うん・・?」
「あのね、ここから近い所に教会があるのよ。知ってる?」
その言葉に香月は大きな声を出した。
「あ!ああ・・そうなんだ!そうだったんだよ。俺は大事な事を言ってなかったね」
むしろ、橋本・香織の2人が顔を見合わせた。
「橋本さん、今から香織と結婚式をあげたい・・立ち会ってくれるかい?」




