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紫竜号
スプリント号「どちらが小さいのか・・それは結果さ。全てね」
紫竜号「今年の同じレースを見ているが良い」
スプリント号「ふ・・。あんたと同じコースを辿って、死にたくないや。ははは」
紫竜号「何だとお!小僧!」
一際大きい声を上げた鳩舎内に、この時香月が入って来た。
「何だ・・騒々しいな、今日は」
香月は鳩舎内のざわめきを感じ取った。
一羽、一羽丹念に触診しながら、競翔鳩の状態を見て行く香月だった。最初に手に抱いたのは、スプリント号だった。
「うん・・良い感じだな。今年はGCHに参加するつもりだ。頼むぞ、スプリント号」
香月系の代表基礎鳩の中に、スプリント号が入っている。期待の程は一番だ・・。次に手に抱いたのは、カズ・エース号であった。




