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白川老人
「その、RCPなら、CHネバー・マイロード号じゃ・・」
白川氏の2大著名鳩を、予備知識も全く無い香月が、苦も無く選び出したのには、流石に2人は驚いた様子だった。
「どうして、2羽が分かったのかな?」
白川氏が聞いた。
「2羽とも、この中では、血統が恐らく違うんではないかと・・・?」
「何と!この大羽数の中で血統の違いを見抜いたのか・・へえ・・」
川上氏が言った。
白川氏が聞く。
「どこが違うと感じたのかな?」
「目です・・。」
その言葉に納得したように、白川氏も川上氏も頷いた。
「このBオスこそ、参加2万数千羽と言う、日本一の選りすぐられた優秀な鳩群が参加する1100キロGNレースで、もっとも遠い1200キロ地点にありながら、2年連続快分速で総合優勝した奇跡とも言われる、超銘鳩、白竜号だ、日本鳩界、いや、世界競翔界の至宝とも言えるだろう」
川上氏は上気した顔で言った。




