表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い雲  作者: 白木
388/545

春風と英傑の息吹

 香月は結局最終的にスタートを、46羽に絞った。それは厳選に厳選した選手鳩で、流石に経験鳩はしっかり体が出来ていて、これ以上に無い仕上がり状態であった。使い始めた飼料の効果もあるのかも知れない。

 そして、まずまずの好天の空模様の中、快分速となったレースは、各鳩舎一線に並ぶ大混戦になったが、その中でも香月鳩舎では、紫竜号とカズエース号が殆ど同時に帰舎して、香月を驚かせた。佐野からの連絡によって、その中でも頭一つ抜けているのは、磯川鳩舎、香月鳩舎、川上鳩舎の3強だと言う事であった。川上氏宅へ着くと、


「いやあ、今日のレースは凄いよね。私の確認した所でも2分以内に4、5百匹のトップ集団が居る。分速も1800メートルは出ているだろう。私の所でも30羽ほど殆ど同時に戻って来たので、どの鳩をタイムしたのか、しばらく確認に迷ったよ。ははは」


 好調のようで、上機嫌の川上氏だった。質、数とも揃った川上氏は、ここ数年の白川系試翔期間を経て、強大な存在になっていた。国内に於いても、既に有数の鳩舎となっている。香月はどうしても、現鳩群だけでは、一歩を譲らざるを得ない。ただ、香月には天才的手腕がある。類まれな洞察力がある。


「今日は参加羽数の多い総合レース並ですから、好天も幸いし、レベルの高いレースになったようですね」

「私の所は若鳩が良かったよ。君の所は記録鳩が良いみたいだね」


 佐野からの連絡である程度情報を得ている氏に、香月は詳しくは言わなかった。

 結局その日に開函の審査を立ち会う川上氏を残して、香月は一人席を抜けて家路に着いた。審査会場が大勢の会員でごったがえしていたせいもあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ