チーム
「違うよ・・香月の言わんとするような事じゃない。実は勝浦、持田組なんだけど・・別れたんだ」
香織が驚いた。
「ええっ?あんなに仲が良かったのに?」
愛田が続けた。
「急の話じゃないんだ。お互い目指す道があって、勝浦って凄い良い奴なんだけど、俺について来いってタイプだろ?持田嬢は大学へ行く傍ら、モデルのユニットに入ってるらしいし、結構色んな仕事も増えて来たようだ。余りにも2人の時間が無かったようだ。努力はしたらしいが・・」
幸田が言った。
「俺がちらっと聞いた話では、持田さんは、今アメリカへ渡ってるようだ」
香月が言う。
「そう・・男女の仲って難しいね・・」
少し場が静まりかえったが、香月は続けた。
「でもね、春想会は、友情の会。誰がどうなったとしても、今年が駄目でも来年は参加をして欲しい。実は皆に今日お願いしようと思っていたのは、坂上が主催している福祉サークルが会員200名を数えて、是非君達も許せる範囲で、中心メンバーに加わって欲しいと思ってね。もう既に、南田君も支部長を引き受けてくれてるし、愛田も新聞に掲載してくれたんだ」
幸田は村上の顔をちらっと見た後、
「香月にそう言われちゃ、断れないな。これほど力を入れているって事は、いよいよ坂上君の夢が進んでいる証拠だし、我々も勿論参加するよ」
「有難う!」
香月と坂上が手を差し出した。




