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チーム
香月は再び、深い睡魔に襲われ、再び目覚めた時は夕方の事であった。病室には誰も居ない。手を伸ばして、ベルを押そうとした時、看護婦さんが入って来た。
「どうしたの?香月君」
そう言う看護婦の顔を見た。
「あれ・・?君・・斎藤さん?」
「ふふ、お久しぶり。どうしちゃったの?香月君」
「はは・・多分・・病気だからだろう?」
「あはは。じゃあ、昨夜病院に救急車で運び込まれたのは、貴方だったのね。勤務が代わって、見覚えのある名前だから、もしかしたらって思ったのよ」
「良く覚えてないんだけど・・それより、君、看護婦さんになったんだね。中学以来だね」
「そうね、中学以来よね。今・・大学生?」
「ああ・・それよりさ・・お腹が減っててさ・・それで、ベルを押そうって思った所なんだ」
「まあ・・ほほほ。その位元気だったら、大丈夫ね。先生に聞いてくるから待っててね」
しばらくして、来生医師が来ると、少し動いても良いよと言う事で、病室外へふらつく足で歩いた。娯楽室の横にある、電話から香月は坂上に電話していた・




