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出発
「うふ・・・あら、忘れてた。貴方今日発表だったわよね。おめでとう!」
「って、何もまだ言って無いよ」
「その顔見てたら分かるわ。で?」
「ああ・・合格したよ。でも・・」
「教授賞じゃ無かったの?でも、助教授賞でも良いじゃないの」
「それが、学長賞なんだ。この数年で初めての事らしい」
「ええっ!S工大の世界でもトップクラスレベルの生徒が集まる200数十名の中で、最高の賞なの!」
「ああ・・驚いた」
「それじゃあ、もっと嬉しそうな顔するべきよ!。香月君ったら。でも、私はもう貴方には驚かないつもりだったのに、嬉しくて涙が出てきちゃう。もう、本当に香月君たら・・」
シンクロするように2人の気持ちが、重なった。
「まあ、でもこれからだ。これからもっと忙しくなりそうだし、笹原、桑原チームの掛け持ちになりそうだから、2チーム参加なんて他にも居ないって。俺の体が持たないよ」
「それも、驚きよね。S工大のシンクタンクの一員だなんて。でも、本当におめでとう!お父さんにも報告しなくちゃ」
「近い内にお邪魔するよって言って」
「ええ」




