出発
今・・門が開いたのであった。香月は数日後、今度は堂々と笹原チーム、そして、桑原チームに加入希望を提出。勿論その場で受理される事となる。笹原チームでは故白川博士の遺志を受け継ぎ、動物生態学を。桑原チームでは、遺伝子工学を研究する事となるのだった。その桑原チームは、S工大の中でもシンクタンクと呼ばれる、特殊な英才の集まりであった。香月は学長賞と言う文句無しの成績で、加入となった。この時から周囲は香月を別格扱いとして見るようになって行く。溢れんばかりの才能と、幸運。今、この天才少年は、大きく羽ばたく一歩を踏み出そうとしていた。誰もが驚く早さで、階段を昇って行くのだった。
この日、香織との約束の為にN短大の前に車を止めて待つ香月であったが、車を覗き込む女学生も居るし、キャーキャーと騒ぐ娘も居て、落ち着けない。やっと、香織が校門から出て来たのを見届けると、急いで車に彼女を呼び込んで、車を急発進する香月であった。
「いやあ・・君の短大って凄いんだね。君が出て来るまで、色んな事を聞かれたり、車の中に入れてなんて娘も居て、驚いちゃったよ」
「まあ・・。でも、貴方は自分がもてるって事自覚してないから。もう、少し離れた所で待っててくれたら良かったのよね」
「参ったよ、今度からそうする」
「女子短大って凄い競争力よ。男子校に凄い挑発的な服着て行く娘も居る位だし」
「凄いって事は分かったよ。はは・・」




