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白い雲  作者: 白木
275/545

事件

「その言葉を残し、除霊されたのじゃ。解に深き怨霊ならば、お念仏を幾等唱えようと、簡単に心静めるものでは無かった。坊主を始めて、数多くの体験はしたが、こんな事は初めての事であった。香月少年がいかにこの霊にとって待ちわびた何百年かの巡り合わせであったか、初めてわしは悟った。これは俗世と現世を超えた夢物語、この3年の月日は香織さんの天性が持つ、織りなす、優しさと思いやりの心が更に磨いたと見え、益々輝くこの香月君を見て、2香の運命は前世より決まって居るかのようじゃ。わしにははっきりとそう見える」


 香織は涙を落とした。自分が何かは分からぬが、自然と香月と引き合う心が大きく強くなっている事に・

 和尚はなお言った。


「今日はその日から丁度3年目。ここへ訪れたのも縁であろう。これから3の倍数年にはここへ訪れなされ、きっと2人に福がある事だろう」


 この夜を過ごした2人は、明朝、和尚と共にその後建立した聖功碑の前で手を合わせた。

 この和尚との出会い、香月が持つ大きなもの・・それは、やがて真近に迫る大きな試練への序章であった。

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