表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い雲  作者: 白木
26/545

競翔仲間

「何してるの?浩ちゃん・・」


 香月が聞くと、


「時間潰しさ。複雑な計算方法ってあるんだろうけど、鳩の帰舎時間と、放鳩時間を距離で割ったら、分速計算が出きるだろ?その表を作ってるのさ」


 香月も面白そうだと一緒にやり始める。・・その時電話のベルが聞こえてくる。慌てて、香月が電話を取った。6時15分に放鳩されたと言う、川上氏からの電話であった。時計を見ると、既に6時半。鳩はもう一斉に鳩舎に向かって飛んで帰っているのだ。今日は絶好の快晴・・恐らく早い帰舎に違いない。・・まだか・・まだか・・空を仰ぐ。芳川も同じだ。香月の母親が、呆れながらおにぎりを2人に作って持って来る。2人は、それを食べながら空を仰ぐ。

 時計を見るとその時7時過ぎだった・・・


「あっ!浩ちゃん!あそこ!ほら!あんなに鳩が見える!」


 興奮した香月の声。突如大きな声を発して指差した、帯状の黒い集団の先頭付近から2羽の鳩が急降下してくる。


「帰ってきた!」


 香月の心臓は早鐘のように打つ・・。一気に鳩はタラップに飛び込む、ゴム輪を外す、鳩時計に打ち込む。その間にも次の鳩が入ってくる。又打ち込む。芳川は外で、鳩笛を吹いている。もう続けさまに吹いて居る。それは5羽がほとんど同時と言える帰舎だった。参加12羽全て帰還したのは、それから30分の間であった。その時何故か香月の胸に熱いものが込みあげていた。その様子に


「一男・・泣いてるのか?・・馬鹿だな・・」


 芳川は優しく香月の肩を叩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ