脅威の力
この事で、香月は再び愛鳩雑誌の取材を受ける事となった。その時、既に、香月も覚悟は決まっていた。文部杯全国総合優勝2回。そして、過去GPレースで、3羽も総合一桁に入賞した鳩舎は皆無。その特出した記録が話題にならない筈が無かった。
総合1、2位のヒロ号、シルク号は勿論の事、紫竜号と言う、図抜けた鳩の成績が注目されない訳も無かった。
天才競翔家と奇跡の超銘鳩紫竜号の歴史は今からスタートするのだった。
雑誌社から取材日程の連絡で電話が入ったのは、それからしばらくしての事であった。取材記者の名前は、片岡安正と言った。若い声だった。その電話の3日後の事である、香月はアルバイト先で、日下部店主と談笑していた。
「いやあ、香月君がここへ来てくれて間も無いんだけど、凄く盛況でねー。特に若い女の子が急増中だ。君の応対が良いって事もあるけど、モテルよねー、香月君は」
「いえいえ。とんでも無いですよ。でも、色々質問も受けて、俺も勉強になります」
「そう言えば、君、凄い事になったよね。私もGPは参加させたものの、当日帰りは無かった。君は強豪レーサーと聞いてたけど、驚異的だよね、GPの10傑に3羽。それも1,2位は同着だったんだろう?」
「ええ、何とか当たり交配の期待の2羽が頑張ってくれました」




