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白い雲  作者: 白木
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脅威の力

 人間の歳に鳩を当てはめてみたらどうだろう・・?香月は思った。通常競翔鳩は、3歳、4歳をピークに下降線を辿って行く。しかし、年齢を人間に当てはめて見るならば、鳩の寿命を15年として、5歳は人間の27~30歳に相当する。長距離ランナーなら、その年齢はピークの熟年期で、一番力が発揮出来る歳である。しかし、何故多くの鳩は、その年齢を境に下降線を辿るのだろう・・・。香月は、磯川の使翔法も推理して見た。昨春は、紫竜号を400キロまでで見合わせ、その秋にも700キロを使翔するかも知れない。そして、この春はもう1000キロへ挑戦させているだろう。そして、4歳時には、もう種鳩として、引退させているかも知れない。しかし、紫竜号の母鳩ネバー号は7歳にしてなおも現役で、1100キロを先頭集団で飛び帰っている。それも、最遠の地区でありながら。その成績は熟年期の長い競翔鳩の証明である。遅咲きの血統は、むしろ白竜号の方だ。白竜号はまだ若鳩の体力で、1200キロを翔破したのであった。一方ネバー号は、得意である筈のフルマラソンに参加せず、30キロレースに参加。今から力を発揮するであろう距離で・・中断・・。香月は、その疑問を抱いていた。しかし、並外れた競翔家である白川氏だから、きっと何かの目的を持って使翔したのでは無いか・そう思った。

 いかにしても、人のちっぽけな考えや思いなど、自然の中では、風に揺るぐ木の葉のようなものに過ぎないとは思うが・・。香月は推理を根本的な所まで追求し始めて居たこの時であった。・・そして・・

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