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白い雲  作者: 白木
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脅威の力

 既に、春の競翔が始まっていた。100キロ、200キロに香月も参加はしたのだが、タイムはしなかった。タイムを打っていたら優勝圏内には入ってる帰舎タイムであった。S工大の受験は1000名余・・一次合格180名・・狭き門だった。その狭き門に香月は受かっていた。丁度、このレース期間中が2次試験の最中となっていたのだ。そこから100名・・今期の合格者が絞られる事になる。それ程難関中の叉難関の狭き門の大学だった。その1次試験も、一枚の論文だけ。それがそのまま大学での自分の研究テーマとなるのだから、よほど明確で、完成度の高い論文で無ければ突破出来ない。香月の論文が充分に認められるテーマであったのだろう。周囲も驚いた。ここの卒業生は、学内で、教授の道を歩む者、世界各国の重要機関に派遣される者。国家機関に派遣される者。普通の学力等と言う物差しでは通用しない。どんな奇抜で難解な試験が会場で待っているかも知れないのだ。香月はこの2次試験の為に、あらゆる書物を読んでいた。

 試験場に来た香月は、周りの空気を感じていた。異様にどの顔も張り詰めている。2浪、3浪なんて当たり前。合格すれば、学費も殆んど免除で、将来は約束される。しかし、その狭き門は、卒業生の数に比例するので、今年は僅か100名。その中に高校生からストレートで、受験する者は皆無に近かった。そして・・試験用紙が配られた。それを見て受験者は驚きの声を発した。大きな設問が一つあるだけで、何も他に無かったのだ。時間は120分。あらゆる動物の中で、その一つを挙げ、人間と比較する論文を完成させよ・・と、だけあった。何とも形容し難い1次試験より、更に難しい設問であった。確かに論文などは、過去の文献を研究していれば、ある程度の言葉は書ける。まして、S工大を受験するような者は学力は充分なものだから、それを今更審査する必要も無く、ただ単に学力が優秀な者も必要無いと言う事だ。香月はしかし、自分の研究テーマを書き始めた。それが認められない限り、自分がこの大学へ進む道は閉ざされるからだ。論分の最後はこう、結んだ。

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