春の息吹
香月が頭を掻いた。
坂上が喋りだした。
「びっくりした。農大進学イコール=ブラジルで、栽培って発想・・。香月君には隠し事なんて出来ないね。実は、今の香月の推理通り俺の夢は新作物の栽培にある。例えば、枯渇する石油資源に変わる作物。世界中の飢餓に苦しむ人々を救えるような作物。砂漠化する大地を変えれるような作物。幾等でも夢を広げる事は出来ると思う。森林資源が、環境破壊だと一部言われ始めている(当時の話)時代が、もうすぐ現実になるかも知れない。例えば、紙の原料になる植物は一杯あるんだよね。一年草で、成長が早いとかさ。俺は、それを広大な赤土の大地で耕したいんだ。そんな夢を持っている」
香月が真っ先に手を叩いた。
「凄い!共感するよ、実は俺も分野は違うけど、これから、遺伝子工学って言うの?そう言う分野で、君は食物、俺は動物。色々研究したいんだ。君には共感出来る。素晴らしいよ、坂上!」
少し遅れて、皆が手を叩いた。
坂上が今度は聞いた。
「俺だって、聞きたいな、香月。君の、その目的」
愛田も言った。
「そうだよ、その天才的な頭脳は、きっと目的がある、そう思ってた。聞かせてくれよ」
辺りはもう真っ暗になっていたが、それでも、この集まりは最高潮を迎えていた。どのカップルも素晴らしい恋愛をしていた。香織も香月の真の目的を知りたかった。




