春の息吹
「ああ、約束するよ。俺も最後の入試がある身だけど、この1年間本当に君と過ごす時間が欲しかった。少しでも一緒に居たかった。いや・・俺がお願いするよ。我ままな人間だけど、これからもお付き合いください。」
2人が握手を交わした時、丁度1年時の担任であった、鈴原教諭が入って来た。
「やあ、まだ教室に残って居たのか。香月君、川上さん。よくこの3年間頑張ったね。学校と言う規則で縛られた中で、本当に君達は男女の交際と言うものを我々に教えてくれた。傍目で見ても微笑ましい似合いのカップルだった。色々職員の中では言う者もあったが、その声をはねのける程君達は頑張ったよね。特に香月君の頑張りは、2年時から、トップの座を一度も明け渡す事無く、生徒会活動にも良く頑張ってくれた。叉、川上さん、君も2年時から急速に成績も上がり、いち早くN短大合格おめでとう!」
鈴原教諭は、2人にとっては、最大の理解者だった。思い出多い教室に最後の別れを告げると、2人は同級生の待つ、市内の小料理屋へと向かった。
この小料理屋での事が香月達にとって、叉大きな出会いとなって人生に影響ある出来事になるのであった。




