表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い雲  作者: 白木
191/545

大激論

香月「素晴らしい血統ですが、どんな血統にも必ず弱点はあります。どこにあると思われますか?」

磯川「その言葉は心外だね、創始者ペパーマン氏の徹底した「優勝鳩しか仔を取らない」理論で、無敵の128連勝は知っての通りだ。ここ2シーズンの俺の活躍を見て貰っても証明済み。どこにも弱点は見当たらないよ」

香月「そう思われますか?」

磯川「全天候型で、スピードがあって、勇敢だ。欠点を探すのが難しい位だ。」


 少し憮然とした表情で、磯川は言った。


香月「心外かも知れませんが、聞いてください。ペパ-マン系は、チャンピオン鳩達の集合です。その固定までには、兄弟や、親子交配を数多く行っております。しかし、その程度の数代の歴史に於いては、鳩質が揃った一群にはなりません。様々なタイプの鳩が生まれて来ております。過去にペパーマン系を導入した鳩舎はその一群のタイプで、使翔し、そこから派生して多くのチャンピオン鳩を叉輩出しています」

磯川「む・・しかし、それは競翔鳩の歴史が浅いせいで、どんな血統にも言える事だ。多かれ少なかれ、タイプの違う鳩は当然生まれて来る。特に近親交配には、全く異種のタイプも出現して来る」

香月「その通りです。中でも、磯川さんの所のパイロン号直系は、当代1の飛び筋だと言えます。これは突出していると思います」


 磯川は少し機嫌が良くなった。


磯川「それで・・?」

香月「鳩質が小粒で、揃うと言うのは、パイロン号を頂点として、その代に到るまで近親交配が繰り返し行われて、言い換えれば、パイロン系と言っても、差し支えないでしょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ