大激論
「それでは、まず聞こう。君達にとって、競翔鳩とは何だ?香月君から聞こう」
香月「かけがえの無い存在。自分のパートナーです」
磯川は少し、香月の顔を見た。鼻で少し笑った。
磯川「勝敗を決める競翔の為に鍛えられた、エキスパートです」
「もう一つ質問する、では、競翔とは何だ?」
香月「夢です」
磯川「栄光です」
「全く対照的だね。では、その理由を聞こう」
香月「夢と言ったのは、自分が競翔鳩と同化してしまう事です。自分が鳩のように、大空を飛べたなら、きっと今現在、競翔と言うものを見ている僕は、違った視線で色んな事が分かるかも知れない。僕自身なんか比べものにならない小さな競翔鳩が、何百キロ、何千キロも自鳩舎目指して飛び帰って来るんです。それをたった、数時間で、数日で。これを夢と言わずには居られません」
磯川がすぐ言った。
「君はロマンチストだね」
「磯川君!反論無用。後で話は聞こう。君の答えは?」
磯川「勝敗を決める、所詮競翔とは優劣の世界です。競翔鳩の優位そのものは持って生まれた資質によって決まるもので、俺達はそれを競翔によって判断し、更に、次代に伝えて行くトレーナーです。栄光とはそう言うもので、限られた優秀な鳩に評価を与えるもので、それは常に動物の世界では優性のサイクルが支配しています。競翔鳩は特に顕著なものでしょう」
「ふむ・・更に聞こう。では、その競翔に勝つにはどうすれば良いか」




