誕生
成鳩群は、4時頃にばらばらと姿を見せ、全ての記録鳩群が当日帰舎した。帰還率も素晴らしいレース模様になり、5時頃にシューマン系の2羽が戻って来たが、この2羽はどうやら、短距離タイプのようだと、香月は思った。両鳩ともこれまで、上位入賞をしてきた鳩達。筋肉がやや硬く、竜骨が短い。体形も先に帰舎の5羽と比べ、やや大型で、雄親の勢山系の特徴が出ているせいかいも知れない。それにしても、このレース香月は18羽参加させて、15羽を当日帰還させている。記録範囲は翌日もあるので、明朝帰還もあるかも知れない。明朝帰る位の鳩ならば、500キロのストック鳩と、後日帰り4羽と共に800キロKC、900キロKCに挑戦させりつもりだ。ピン太とグランプリ号の悠々の帰還を見て、GNにこのまま余力充分で参加する決意を新たにした。香月は入賞と言う事よりも、極めて帰還率が良い事に大満足であった。この日の5時過ぎに佐野から、電話があったが、自鳩舎の帰舎タイムと帰還率の飛びぬけて良い事を改めて確認し、川上氏からは、記録のゴム輪10個を受け取っただけで、高橋会長宅へ一人向かった。
会長宅でも、数名が居るだけで磯川さえもレースを諦めているような顔で座っていた。そのまま時計を預けて帰ろうとした香月だったが、ふいに磯川から呼び止められた・・




