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白い雲  作者: 白木
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競翔仲間

 やがて3月の初旬より作出シーズンも迎え、香月の鳩舎では現在6羽の仔鳩を得る事が出来ていた。仮母と言うテクニックを使う特殊な作出方法で、一挙に香月の鳩舎もにぎやかになっていた。この仔鳩達は9月から始まる競翔に向けて訓練を重ねられる。川上氏の細かいアドバイスを忠実に守り、香月の熱心な飼育管理によって、日増しに仔鳩達は逞しく成長して行った。

 舎外訓練から、放鳩訓練の過程で徐々に成果が上がって行くのが実感出来た。一羽の落伍も無く、秋の競翔の準備が進んでいたある日の事であった。突然川上氏が香織と共に、香月の家にやって来たのだった。


「やあ!」

「わあ・・びっくりした!今日はどうされたんですか?」

「いや、近くへ来たもんだからついでにね。香織も寄りたいって言うし」


 香月と香織達の関係・・実は、春休みに香月が家庭教師を兼ねて、川上氏宅へ通っていたのだ。すっかり今では仲の良い友達になっていた。川上氏が立ち寄ったのは、香月の両親とも会う為でもあった。

 家の中で、雑談する川上氏と香月の両親。香月と香織は鳩小屋の前で話していた。


「静かな所ね」

「農村地帯だからね。こっちは」

「新学期が始まって、テストがあったでしょ・・私、先生に褒められちゃった」


 嬉しそうに彼女は言った。一気に成績が全校で50番も上がったと言うのだ。川上氏はそれが嬉しくて、お礼を香月の両親に伝えていた。初対面とは思えぬ、にぎやかな談笑が続いていた。

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