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白い雲  作者: 白木
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競翔

 香月が帰り、川上氏が鳩の世話をしてる倉庫上の鳩舎の所へ、珍しく香織が上がってきた。そして・・


「ねえ・・お父さん、鳩を飼うのって楽しい?」

「おやおや・・珍しく鳩小屋に来たと思ったら、何だい?急に。・・うん、凄く楽しいよ。父さんは鳩が大好きだ。どんな趣味にも変えがたいものが鳩にはあるんだ」


 少年のようににこやかな顔になって言う父親に、香織はそれ以上は何も言わなかった。そして、背を向けると


「お父さん・・私。来年、神原市のE高校を受験する」

「え・・お前・・」


 県下でも名高い進学校は、香織の学力では少し難しい。突然の香織の言葉に川上氏は驚いた。

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