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白い雲  作者: 白木
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誕生

 香月自身は今回のこのレースをこう分析した。

・・・追い風の気流に乗って、その天性の副翼の密度と完成されてはないが、柔らかい筋肉によって、上空高く舞い上がり、戻って来たのだ・・と。そして、それは何を意味するか・・子鳩は天性の長距離鳩の資質を生まれ持っていると言う事だ。・・

 そして、この200キロレース・・次代の種鳩候補、「ピン太号」「グランプリ号」の仕上がりも良い。そして、シューマン系の「リリー号」「マロン号」との交配も大成功したようだ。シューマン系の特徴が強く出ているが、第2代、3代となった時はどうだろう・・香月はそんな事も想像していた。秘めたる資質は、その天分を持って生まれた子鳩に匹敵するスピ-ドをシューマン系は有している。嬉しい伏兵だと香月は思った。帰舎訓練、単羽訓練も功を奏しているのだろう。

 その200キロの持ち寄りには、磯川始め何名かが香月のシューマン系の若鳩に触った。磯川が言う。


「あの・・栗はストックしたの?」

「ええ」

「そうだろうね。そうするよね」


 他の学生達もそう言った。香月はにこにこして頷いた。


「それにしても、この栗群は、ペパーマン系に匹敵する筋肉だね。叉少し違った羽毛だけど」


 取り分け磯川は、熱心に触っていた。

 そして、200キロレースも好天気に恵まれて、やはりJrの優勝から4位を香月が独占した。2位から6位の香月鳩舎の鳩の順位が入れ替わっただけで、圧倒的に他の学生競翔家の鳩を引き離していた。一般では、川上氏の「アイ・ブルー号」が又しても、優勝した。ただし、磯川も2から4位と入賞し、かなり混戦したこの距離だが、上位30位以内にはやはり常連達は顔を揃えていたのだった。ただ・・川上氏が、このレースで、「アイ・ブルー号」で、優勝はしたものの、上位を独占すると言った今一つの冴えが感じられない。白川系の使翔が未だ掴めてないのだろうか。周りはそう思っていたようだ・・。氏が平然としているのが、何となく不気味・・磯川はそう感じていた。

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