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白い雲  作者: 白木
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誕生

「はい・・」


 香月もそれを感じた。


「私は言った筈だ。鳩はただひたすら、一目散に鳩舎に戻って来るのだと・・それは人間の欲望の為では決してない。彼等(競翔鳩)の本能がそうさせるのだ。それによって、順位がどうとか、人間によって勝手に決められたルールがあるからでは無い。そのひたむきな彼等の羽ばたきを資質として認めてやるのが、我々競翔家の姿勢なのだと。どんなにそこに待ち受ける結果があったとしても、君はその全責任を負って競翔に参加させているのだ。違うかい?」

 

 初めて香月に対する川上氏の叱責であった。


「はい。その通りでした。僕は恥ずかしい。責任の所在を間違えてました」

「分かってくれれば良いんだ。ただ、君の動揺は私とて良く分かる。で、その仔鳩はどうするの?」

「はい。この100キロで中断させます」

「それが・・良い」


 実はこの香月の言葉は、川上氏が文部杯全国総合優勝と、日本記録鳩としての栄冠を持って、稀世の超銘鳩による夢の交配・・この世に唯一無二の血統なのだから、種鳩にする為の中断と理解した。それは、当然の受け止め方でもあった。しかし・・香月は、全く違う事をこの時点で考えていたのだった・・。後に川上氏も驚愕する事になる。

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