表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い雲  作者: 白木
145/545

誕生

 川上氏の打刻タイムだが、若鳩の1羽が早かったのと、全部で8羽打刻した中で7羽が記録鳩と言う事もあって、入賞圏内に居るのは確実と見られていた。8時10分頃だと言う打刻タイムだが、8羽の打刻した時間が2分前後と言うのだ。流石に実力者である。

 開函場所の会長宅では、既にほぼ全員集まっていたが、香月が鳩時計を持ってない事に佐野が不思議そうに尋ねた。

 文部杯常勝の香月が・・何故?そんな疑問であった。


「どうしたの?時計・・」

「打ちませんでした」

「何で?」

「とても打刻出来るタイムじゃ無かったです。8時30分に1羽。その後夕方にやっと最後の1羽ですから・・」

「そう・・意外だね・・君程の鳩舎が・・見せて貰った時も出来が悪いっては聞いてたけど・・」


 ところで、来ている筈の磯川が見えない。佐野に香月は聞いた。


「ところで、磯川さんは・・?」

「まだだよ。まだ少し時間があるからね。でも・・皆、肝を潰してるよ・・あのパイロン直仔群は凄い・・ダントツで、5羽同時に帰舎したそうだ。そのタイムが8時2、3分と言うから、この悪天の中・・本当に凄いよね」


 香月が当然その事を知っているかのように、佐野は言った。香月は実は全くその情報を知らなかった。


「そんなに・・早いんですか?やっぱり・・見間違いかと思った一群がそうだったんですね?若鳩とは言え、この逆風の悪条件の中、そんな分速で戻ってくるとは・・」

「あれ?知らなかったのか・・。余りの差に他の会員達も今晩は大人しいだろ?川上さん位だよ・・次に近いのは」


 話し合ってる所に磯川が入って来たが、時間スレスレで、間も無く開函となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ