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白い雲  作者: 白木
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回顧・・希望

 そして・・香月のカップリングと産卵は成功した。

 だが・・2個の卵が揃った頃・・ネバーは卵を抱かなくなった。そして・・白竜号の燃える瞳からは、輝きが失せてしまった。この事に気づいた同時期・・白川氏の体調は悪くなり、寝込む日が続いたのだった・・そんな初夏の夕刻・・。

 突然の香織からの電話が、風雲急を告げる・・


「香月君・・おじいちゃんが・・白川のおじいちゃんが!」


 涙声は擦れて聞き取れない。


「何だって! どうしたの!香織!香織!」


 昼過ぎからの胸騒ぎは・・この事?香月はやっとの事で、白川氏が危篤と言う事を聞き取ると、両親に急を告げ、夕刻の道を香織を乗せて、バイクで走った。香織の目は真っ赤・・・二人は一言も発しなかった。風邪をこじらせていたと言う心配が、まさか危篤に繋がる事だとは・・。2人の顔を見て、真っ白い顎鬚で、くしゃくしゃの笑顔でいつも迎えてくれた、優しい白川氏の命が?何故・・突然に・・。

 白川氏の家にたどり着いた時。周りを覆っていた重苦しい雰囲気は現実となっていた。高橋会長、そして・・川上氏が香月達を見て・・首を静かに横に振った・・


「いや・・いやあ!じいちゃん!いやああ!」


 香織が枕元にうつ伏せて、大声で叫んだ・・。


「な・・なんで?じ・・じいちゃん」


 香月はそれだけ言うと、嗚咽を漏らした。川上氏も肩を震わせて泣いた。高橋会長は、真一文字に結んだ口が震え、目からは大粒の涙が零れた・・。


「おじいちゃん!おじいちゃん、香織よ!分かる?ねえ、ねえ!」

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