白川老人
「言うよ。連合会の当日帰舎の数は、200羽を少し切っている。当日2桁帰舎させたのは、水谷さん、川上さん、高橋会長の3人しか居ない」
「・・そんなに?それで、佐野さんは?」
「僕?僕は6羽記録したよ。良い方なんだよね。君も7羽で、良い帰還だってね。それより、君のタイムは連合会の中でも特に早いよ!僕の計算で、連合会で、1300メートル前後の分速は20羽位だね」
「それで、その鳩舎は?」
「ああ、君が3羽。川上さんが9羽、会長が3羽、水谷さんが2羽、磯川さんが1羽、北村さんが1羽、渡辺さんが1羽、それに僕が1羽だよ」
「21羽ですか?」
「うん。でも、その中でも君の2羽と川上さんの1羽、磯川さんの1羽がかなり早いけど、その又中でも君の2羽は特に早いんだよ」
「でも、大羽数のレースですからね。まだまだ他の連合会でも早い鳩達が居るでしょう」
「それもね、聞ける範囲で聞いて見たよ。僕の情報では、風巻連合会の小川鳩舎、中川連合会の前川鳩舎が君に近い。情報的には、その位だけど、毎年優勝鳩を出してるのはこの2つの連合会だからね。君の上位入賞は充分考えられるよ」
佐野らしい情報収集力に感心しながら、香月は別の返事を返した。
「でも・・僕としては、明日何羽帰って来るのか、その方が心配なんですよね・・」
「君らしい・・ね。でも、磯川さんだって、2羽きりなんだよ。川上さんも同じ事言ってたけど、師弟の関係って、帰舎率も思いも同じなんだね。あ、余談だけど、磯川さんは一晩中鳩舎をライトアップしとくらしいね。タラップも閉めないまま」
「それこそ、彼・・らしいですね。それじゃあハンドラーさんは今晩は徹夜ですよね。あ・・浦部さんは?」
「あはは、磯川さんらしいよね。あ、その浦ちゃんだけど、700キロが悪天と読んでいて、全鳩600キロでストックさせているらしいよ」
「やっぱり・・こちらも彼らしいですね」
「やっぱり・・って?」




