表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/31

#31それから・・・エピローグ

▼エピローグ


「海斗!海斗!」

 誰かが耳元で叫んでいる。以前にもあったような場面だ。

 目を開けると、白い天井が見えてきた。


―なんだよ、五月蠅い!―


 全身で寝返りをうとうとしたその時、ままならぬ痛みが走った。

「よかった、目を醒ました!」

 感嘆の声だと気がついた。


―なんだ?―


「海斗、安静にしてなさいよ!まだ動ける体じゃないんだから!」

 それが聴き慣れた声だと分かった。

「ふ…風香……?」

「風香?じゃないわよ。もう、どれだけ心配したことか……一週間近く眠り続けてたんだからぁ」

「ここは?」

「病院よ!海斗いきなり車の前に飛び出して衝突したんだもん。驚くわよ!このくらいで済んだだけ、幸運だったわよっ!」

 見える範囲で目をこらしてみる。

 足先に包帯が巻き付けられて吊るされているのが目に入った。

「あばらも折れてるのよ。寝返りも打てないでしょう」

「ああ、痛いよ」

「先輩が救急車を呼んでくれて、素早く処置してくれたのよ。今度会ったらお礼を言いなさいよね!」

「げっ。オレあいつ……苦手」

「苦手でも何でも、お礼はしてよね!」

『シャツ』とカーテンを引く音がする。

「見て御覧なさい。今日はなんて清清しい朝なんでしょう」

 眩しい光が目に入り込んできて痛い。まだ覚めやらぬ何かがオレの中で渦巻く。

「風香、お前毎日来てくれてたのか?」

 傍にある花瓶に生けられた花を見ながら、テレながら訊く。

「うん」

「そうか……そう言えば変な夢を見たよ」

「どんなの?」

「えっとな……」


 それは、時間の狭間。夢ではない本当の出来事。

「海斗』は『カイト』で、同じ時間軸の異次元の世界に入り込んでいたのである。

 そんな事とは露知らず、恋人の風香にその話を語りはじめる。

 カイトが入り込めないでいた肉体は、実際の海斗の中で眠りに就いていた。そして、夢を見る形でその出来事を記憶していた。

 それから先は……異次元のその後の世界のことは、再び海斗の夢の中にでて来る事になる。


『エストラーザ』『サリバーン』『キリアートン』の三国は一週間後、約束通り平和条約を結ぶ。

 その一年後、カイトと、『サリバーン』のウェンディは結婚。それから一年後、ウェンディは男の子を出産。名は、カイル。後に一国の王となる第一皇子が誕生。

『キリアートン』は、半年の内に国を再興し、二年後、グェイン国王と、ジャスティの間に女の子をもうける。

 その一年後、第一皇子を出産。不思議な縁で、年頃になり第一王女と、『エストラーザ』の第一皇子がめでたく結婚。

 そして、平和条約によって『エストラーザ』の貿易港が使用可能となり、多くの国を行き来出来るようになる。

 実際、王グェインは、その多くの国を視察して、念願の国土拡張をはかる。

『サリバーン』のフェンディ皇子は、配下のメイトを正妃として結婚。

 子宝に恵まれメイトは五人の子供を産み落とす。

 男の子三人と女の子二人。同じく平和条約にて、『エストラーザ』の一部の土地を借り受け、作物を大いに収穫していた。

 この平和は、一世紀続くが、再び戦乱の世を招く時が来る。それは、まだ知られていない未来の出来事であるので、また今度の機会にでも。


これで、カイトが主人公としてのお話は完結です。

確か、五、六年前に書いた作品なのですが、今見ると、会話文が多くて、世界観が描けてなかったなと反省するのですが、今回はそのまま。少しだけ気になってた所だけを加筆して、お届けしました。

でも、個人的に、フェンディとメイト。グェインと、カイル(ジャスティ)のお話など改めて違う方向で書けたら本望かなと。

特にフェンディとメイト。この二人の過去と未来など加筆したい気分です。

また、読みたいなって方いらっしゃいましたら、こっそり教えていただければ幸いです。

それでは次も、ファンタジーでお送りします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ