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帝王星


時は2140年、あの忌わしい惨事から50年経った今、俺の目の前では信じられないことが起きている。


何かって?


今まさに50年前の惨劇が再び訪れようとしている、とでも言いましょうか…


と言っても当時まだ俺は生まれてなかったからな…


直接その惨事を体験をした訳でもない。


ただその惨事のせいで未だに地球の復興は進んでおらず、元15階建て高層ビルかそれ以上の建物があち


らこちらに散在している。


噂では世界中で協力してその惑星の再びの進行に対抗するための兵器を作っているだとか、恐ろしや。


「ん?」


思わず声を上げてしまった。


俺の真上にはさっきまで俺が噂していたその惑星が見参している。


いや、何でいんだよ、帰れよ!と心の中で思っている俺。


あれ?何でこんなに俺冷静なんだ?


ウーウーウー!


「皆さん既定の避難所へ避難してください。」


町内に避難勧告が流れる。よし、とりあえず逃げよう。


どこへ?家へ!


ひゅーん、ガッシャーン!


何か丸い宇宙船みたいなものが降ってきた。


ただし大きさは手の平サイズ。


そしてそれが今まさに俺の目の前にある。


しかもアスファルトに直径4mくらいの穴をつくった。


+αで中から何か変なのが出て来やがった。


何か人面蛇みたいなのが…こっちを見ている…


ニコっ


………ヤバイヨコレキモイヨコレ!ダッーーシュ!


マッハ5くらいで家へ直帰。


玄関へ到着。


焦りまくって鍵を2回くらい落としたが、何とか扉を開けれた。


「父さん!母さん!」


「よかった!無事だったのね!」


両親共に無事。


思わず安堵の息が漏れる。


「見て、淳平。今帝王星についての緊急ニュースがやっているわ。」


申し遅れたが俺の名前は安藤淳平。


なんともミスマッチなネーミングセンス、自分でも思う。


「帝王星?なにそれ?」


聞き慣れない単語に首を傾げる。


「あなた帝王星も知らないの?あの惑星の名前よ。」


そんなの知るか。


あの惨事以来全世界の学校は廃校になったから学ぶことは出来ないし、

某2chではあの惑星についてふれると政府の裏組織に潰されるだとかであの惨事を体験した大の大人達がビビっちゃって教えてくれないし。


だが今となってはまさにタイムリーにその惑星、帝王星がいる訳だし、逆に話さない訳にはいかない。


「そんな事より、避難勧告が出てるけど避難しなくていいの?」


焦りの気持ちを抑えて言った。


「あら?そんなとこに避難しても死ぬか拉致されるかよ。」


母は平然と恐ろしいことを言う……。


じゃあ何のための避難所だよ。


と俺は思うが、普通だよね俺?


何が正常で異常かの識別がつかなくなって来たぞー……


とりあえず…


「どゆこと?拉致?死ぬ?」


と質問を投げ返す。


「そうよ。帝王星の目的は人を殺す事というよりは人を拉致する事、理由は分からないけれどね。恐らく人体実験か労働力の確保ね。」


急に普通の母っぽいことを言わなくなった母。


まぁ既に死ぬ、拉致とか言ってる時点でアウトだけど更に追い討ちをかけるかのように戯言を語る母親。まるで研究者だ。


いや、違うでしょ!あなたは専業主婦でしょー!


「なんでそんな詳しいのさ。」


一番の疑問を投げかける。


「ふふ何でだろうね。」


と満面の笑み。


もしかして……両親も実は帝王星の人…て事は俺も…


「っていうかお父さんはどこ?」


いつの間にか姿を消していた。


「地下よ。私たちも行きましょうか。」


また、母親はさらっと言う。


地下?


そんなもの私達の家にはありませんよ?


私達の家は2階建てのごく普通の家。


それ以上もそれ以下もございませんよ?


ウィーン


隠し扉が開く。


確かに地下へ続いている。


そしてその先には研究所と思わしき様々な機器が陳列している。


更にその奥には父さんがなにやら変なものを見ている…


!!あの人面蛇だ!


なんでここに…?


いや、そんなことよりこの研究所は何だ。


まさかホントに母は研究者、更には父まで…


「すまんな。淳。今まで黙ってて。」


父が口を開いた。


「全くだよ。」


今日一日だけで新発見が多すぎる。


頭が破裂しそう。


でも考えるのはもうやめよう。


考え過ぎはよくない。


今を受け入れよう。


こんなに寛容な心の持ち主、そうはいないぜ?


「全て話させてくれ。」


びっくりだ。


父の方からこう言ってくれるのは。


…………


…それから小一時間は話しただろうか。


要約すると50年前の惨事の際に両親は帝王星に関して調査し、政府に報告する重要な任務を与えられた研究者だったらしい。


そして今も帝王星について独自で研究をしているらしい。


「ところでその人面蛇は?何か危険なの?」


あの満面の笑みを俺に向かってしてきた、超ド級グロテスク蛇は一体何ぞ?


「こいつの名前はバルムート。このバルムートは人に寄生して、その寄生した人は精神を乗っ取られて強制収容所へ行く。そうやって帝王星の拉致が成立する訳だ。戦闘能力自体はない。」


と、父は真剣に言った。


そしてこう付けたした。


「だが、もう一体ロクスと言う戦闘用の合成獣が存在する。こいつの戦闘能力は戦車一台分に匹敵する。」


おいおい、ますます厨二病要素が増えてきたぞ。


ホント何もかもデタラメだな。


戦車一台分って人何人分だよ。


勝てないだろ…普通に…


「そして私はロクスに対抗すべく銃を開発した。」


厨二Lv120。


まるで漫画の世界だ。


ありえん。


戦車を破壊する銃だと。


バズーカならまだしも銃だぞ。


いやいやありえん。


ドッカーン!ガラガラガラ!


「きたか。ロクスだ。」


父が言った。


「ロクス!?もうくんの!?」


タイミング良過ぎだろ!


前言撤回!


これは漫画じゃない!


これは話が都合よく出来たRPGだ!


「銃を取れ。母さんは研究データのバックアップと車を準備をしてくれ。」


「はい。」


「淳平お前は取り敢えず実践経験をつむぞ。」


いきなりかよ!


いきなりこの純粋無垢な少年を戦場に投下するんかい!


残酷だ…


「わかった。」


と渋々言った。


渋々納得する俺は俺で異常だ。


だって死ぬかもしれない訳だし。


戦車と戦う訳だし。


きっとこの両親の血が流れていることがハッキリ証明されたということだ。


あはは…


地上への扉をあけるとそこには信じられない景色が広がっていた。


あるはずの我が家の屋根が無かった。


そしてそこら中には人面蛇、バルムートがこちらに向かって笑みを浮かべている。


がるるる…


そして忘れてはいけない。


ロクス。


極めて残虐暴虐らしいなこの獣は…静かに……こちらを………



「淳!!!」



父の声が聞こえる…。



「逃げろ!」




「逃げるんだ!」





…へ…?





…バタン……




………………。




…じゅん!………。




お……き…ろ…!…。




……………………。




…………………………………。


「うぅぅ…」



頭が痛い。



ここはどこだ…。



そうだ…たしか…父さんと一緒にロクスを……。


ぐちゃ


「え?」


目を細めてよく見るとそこにはロクスの残骸…違う…


何か別のものも混じってる…


「嘘、父さん……」


父さんが見るも無残に引き裂かれている。


かろうじて原型は止めているものの…冷たい…。


一方ロクスの方は顔が吹っ飛んでいて完全にただの肉片と化している。


「相討ちかよ…うそだろ…冗談じゃねぇ…父さん…うぅ…」


涙が出てくる。


そりゃそうだ。


泣きたくなくても…肉親が死んだんだ。


「うぅぅぅぅ…うわあぁん!」


安藤淳平17歳。


初めての出来事だらけに戸惑っていたが、肉親の死は流石にそれを一掃させてしまう程のものであった。

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