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腐乱死体ノ彼女

ざしゅ、ざしゅっと包丁を刺す度に、返り血で僕も部屋も赤く彩られていく


包丁を床に置いて、両手を眺める


あぁ……彼女の血で真っ赤だ


彼女は両目を見開いて、僕を見てる


そんな責めるような目で見ないでよ


君が悪いんだよ


僕を捨てようとするから


でも、そんなこともういいや


やっと、君を食べられる


ずっと一緒になれる


ほら、寂しくない






※前作の「腐乱死体ノ彼女」をリメイクした物です力任せに彼女の腹を裂いていく。

けど血でぬるぬるして、うまく力が入らない。

君は意地悪だね。死んでも、こんな意地悪するなんて。

でも君らしいよ。僕に毎日暴言を吐いて、暴力を振るってきた君らしい。

友達や親には君と別れろって散々言われてきたけど、僕は知ってるよ。

それが君の愛情表現だって。

でも酷いよ。僕を愛してるように見せかけて、他の男を愛してたなんて。

酷いよ。僕は愛してたのに。

僕とは一度もヤったことないのに、その男とはヤったのかな。

だとしたらその男も酷いなぁ。

僕より、その男の方が愛されてたなんて。

でも、彼女は僕の物だよ。誰にも渡さない。僕だけの物。

彼女を食べて一緒になれば、彼女は永遠に僕だけの物。

大丈夫だよ。そんな心配そうな顔しないで。

ちゃんと、食べてあげるから。嗚呼、ねぇ、君の血で赤く染まった僕は、君の目にどう写る?

血で真っ赤に染まった僕は、醜いかい?

僕は最高の気分だよ。大好きな君の血で染まれて。

ねぇ、君の唇は綺麗だね。淫らに赤く染めて、僕を誘ってるんだね。

君は僕の物。遠慮なく味わってあげるよ。

見開かれた目を閉じさせてあげて、僕も目を閉じて唇を重ねる。

ねっとりと舌同士を絡ませて、じっくり唾液交換をする。

血の味が混ざって、いつまでもこうしていたくなる。

唇を離すと、ほんのり赤い唾液が糸を引いた。嗚呼、下半身がどうしようもなく疼く。

君の中に僕の熱くたぎる肉欲をぶち込みたい。

でも、それは絶対しない。君との約束だからね。それだけは守ってあげる。

それに、君の腹を割いて真っ赤に染めるという方法で、君を汚し尽くしたから。

丸見えの真っ赤で綺麗な内臓に、口づけを。

しばらく啄むような口づけをして、内臓を舐める。

君の血は甘くてしっとりしてる。

君にとっては屈辱かな?好きじゃなくなった僕に、身体を舐められるなんて。

でも、僕は幸せだよ?君の身体を隅々まで触れられるから。

生きてたら僕から触ること、許してくれなかったもんね。

君が僕に触れるのは、暴力を振るう時だけ。

でも僕は、君が僕に触ってくれる唯一の機会だから、むしろ嬉しかった。

なのに、あの男は。あの男は僕を馬鹿にした。

僕といると君はろくなことにならない。君を愛してない奴がいつまでも君につきまとうな。だからさっさと別れろって。

別れるのはあの男の方だ。君をこれほど愛してるのは、僕しかいないのに!

僕と君を侮辱した罰だ。

目を見えないようにして、喋れないようにして、不能にしてあげた。

もう誰とも愛し合えないように。

君も、もう僕しか見えてない。

さぁ、君を食べよう。内臓をごちゃ混ぜにして炒めて、塩コショウで味つけしただけの肉を、サラダと一緒に食べる。

目の前に座ってる、お腹がぽっかり空いてる彼女を見ながら。

ねぇ、どんな気分?

触られることさえ嫌がってた僕に、お腹の中まで見られる気分は?

僕は本当に最高の気分だよ。触りたくても触れなかった君の身体、隅々まで触り尽くして、舐め尽くしたから。

気持ち悪い?大嫌いな僕に触られて?

でもさ、君も酷いよね。触られたくないほど大嫌いなくせに、ストレス発散の暴力を振るうためだけに僕を縛ったんだから。

だから、これくらい許してくれたってよくない?

痛み分けってことでさ。

これから、君を裸にして川に捨てるけど、許してくれるよね?

君のこと愛してるけど、大っ嫌いだ。川に流されていく彼女の死体を見つめる。

ここまで運ぶのに苦労したよ。

何せ彼女、太ってるから余計苦労した。

あの男と付き合うようになってから、急激に太り出した。

きっとあの男に太らされたんだね。

でももう太ることを心配しなくていいよ。

殺してあげたんだから、もう太る心配なんてしなくていい。

死体が見つかったら、犯人は僕だとすぐ分かって、捕まるんだろうな。

うん。それでもいいと思う。

だって、それで可哀想な被害者になる。そして僕は狂った殺人者に。

彼女を殺して食べ、男を無惨に傷つけた殺人者。

うんうん。最高の結末だ。彼女はいつも、自分のことを可哀想可哀想って言ってたからね。

ほら、可哀想になれたよ。可哀想って言ってもらえるよ。よかったね。

最近の女の子は自分可哀想って思いたい子が多いよね。

さて、あの子の恋人役は終わり。

次の可哀想になる子を探そう。とりあえず帰って、コレクションと戯れよう。

僕は痩せてる子が趣味なんだ。






腐乱死体ノ彼女-了-

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