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読める鎮痛薬  作者: 九重有
子供たちへ

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一通目 鎮痛薬



今、子供の君たちへ。


この文章は、子供に向けて書いています。

けれど、途中からきっと、大人の胸にも届きます。

それは失敗でも、裏切りでもありません。

子供に向けた言葉ほど、大人のほうが先に痛むことがあるからです。


君たちは、ときどき

自分の気持ちが重たいものに思えるかもしれない。

泣きたくなる理由が分からなかったり、

怖さや怒りが、説明できない形で胸に残ったりする。

そんな自分を、どこかで「面倒だ」と思ってしまう瞬間があるでしょう。


でもね、気持ちは邪魔じゃない。

君を止めるためにあるんじゃない。

壊れないように、少し前で鳴っている音です。

聞こえなくなったら、もっと危ない。


大人になると、その音を消す方法を覚えます。

忙しくなること、正しく振る舞うこと、

役割を引き受けること。

そうやって平気な顔は上手くなるけれど、

本当の声は、奥に押し込まれていきます。


この文章が、大人の胸に痛むとしたら、

それは今のあなたが弱いからじゃない。

ちゃんと、感じてきた証拠です。

感じることを、完全には手放さなかった証拠。


これは説教じゃない。

励ましでも、正解でもない。

ただ、ここに置いておく言葉です。

痛みが強い日に、効くふりをする鎮痛剤みたいなもの。


効かなくてもいい。

読み返さなくてもいい。

それでも、君のそばに置いておく。


今、子供の君たちへ。

そして、かつて子供だったすべての人へ。


今日も、生きていてくれてありがとう。

ゆっくりでいい。

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