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ダンジョン・アカデミア  作者: 綾瀬蒼


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36.世界の真実、学園長の告白

1. 学院への帰還とマナの抑制

五属性の調和と古代の鎧を身に宿した真の覇王として覚醒したレオンは、リゼルと共に学院の転移ゲートを通じて帰還した。学院の空気は依然として緊張していたが、解放派の残党は潜伏し、大規模な動きは止まっていた。

レオンの全身から放たれる五極の調和マナは、学院のマナ炉や防御術式と共鳴し、その存在は圧倒的だった。しかし、レオンは自らの力の完成よりも、大地の迷宮で謎の学者が語った「世界の真実」に心を奪われていた。

学園長室。レオンとリゼルを前に、学園長とクロードが待機していた。レオンは、開口一番、静かに、しかし有無を言わせぬ覇気をもって問い詰めた。

「学園長。単刀直入に伺います。この世界は、何者かによって『マナの抑制システム』にかけられている。そして、覇王装備が五つの核を集める目的は、そのシステムを解除するためだ。この話は真実ですか?」

学園長は、レオンの覇気に気圧され、目を伏せた。隣にいたクロードも、困惑した表情で学園長を見つめていた。

「レオンくん…その情報は、どこで…」学園長は、絞り出すような声で言った。

「その情報を得た場所は重要ではありません。重要なのは、あなたが真実を知っているかどうかです。解放派が核を狙い、学院を敵視した真の理由。それを全て話してください」レオンは、影のマナの静謐を周囲に広げ、学園長の逃げ道を塞いだ。


2. 古代文明の終焉と「大いなる封印」

学園長は深い溜息をつき、自らの杖を床に置いた。そして、重い口を開いた。

「…その通りだ、レオンくん。君が言う通り、この世界は、紀元前の『古代マナ文明』の終焉と共に、ある巨大なシステムによって『封印』されている」

学園長は、人類の知られざる歴史を語り始めた。

「かつて、古代マナ文明は、今の我々の想像を絶するマナ技術を極めていた。彼らは、五つの元素核の力を単なる武器としてではなく、『世界環境を操作する鍵』として利用し、星のエネルギーすら自由に引き出していた。しかし、その力は制御不能となり、最終的に文明は自滅的な大災害を引き起こした」

「その大災害とは…」リゼルが息を飲んだ。

「その力は、星のマナそのものを暴走させ、全生命の危機に瀕した。その時、古代文明の生き残った賢者たちが、残されたマナ資源の全てを結集して造り上げたのが、この『マナの抑制システム』だ。彼らは、マナの供給を人為的に制限し、強力な術式やマナ技術を『発動できない状態』にすることで、世界の安定を保った。我々が知る『魔法』や『異能』は、その抑制システムの『わずかな漏洩』に過ぎない」


3. 学院の役割と覇王装備の使命

「では、学院の役割は…?」クロードは、自分が信じてきた世界の構造が崩壊していくのを感じていた。

「学院は、その抑制システムを監視し、維持するために創設された。そして、覇王装備と五つの核は、そのシステムへの『管理者権限』を得るための鍵だ。核を集め、五極の調和を達成した者だけが、システムの『起動・解除』を選択できる」学園長は、レオンを見た。

「君たちが、ダンジョンで核を集める旅は、『システムの解除』に必要な、管理者パスワードを集める行為だったのだ」

レオンは、自らの宿命の重さを理解した。彼の力は、世界の救世主であると同時に、世界の抑制を司る『看守』となる可能性を秘めていたのだ。

「解放派は、この真実を知っていたのですね…彼らは、世界の真の自由を取り戻そうとしていた…」リゼルが呟いた。

「そうだ。彼らは、抑制されたマナを開放することで、古代文明の力を復活させ、世界を真の『マナの自由』へと導こうとしていた。彼らの理想は崇高だが、その解放が、かつての世界の自滅的な大災害を再び引き起こす危険性を、彼らは理解していない」


4. レオンの究極の選択

学園長は、レオンに深々と頭を下げた。「レオンくん。君は、今や五極の調和を達成した。君には、世界を再びマナの暴走の危機に晒す『解放』か、それともこの世界を安定したまま継続させる『抑制の維持』か、という究極の選択権がある」

「もし私が『解放』を選んだら、どうなります?」レオンは、試すように尋ねた。

「世界の全てのマナが、古代文明のレベルで溢れ出すだろう。人々は、今の異能を遥かに超えた力を手にする。だが、同時に、制御不能なマナの暴走が始まり、文明は再び滅亡へと向かう可能性が高い」

レオンは、自らの拳を見つめた。この拳は、世界を救う力と、世界を滅ぼす力を同時に握りしめている。

リゼルは、レオンの横で静かに言った。「レオン。私たちがすべきことは、『解放』でも『抑制』でもありません。覇王装備の真の力は『調和』。私たちは、暴走しない形でマナを解放する『第三の道』を探すべきです」

レオンは、リゼルに力強く頷いた。覇王の使命は、ただシステムを操作することではない。「調和」の力で、世界が真に平和になる道を探すことだ。

「学園長、このシステムへのアクセスは、どこから可能ですか?」レオンは、覚悟を決めた目を向けた。

「学院の最深部にある『始原のオリジン・ファーネス』だ。そこが、抑制システムの中央制御装置に繋がっている。だが…既に解放派の残党が、最後の抵抗として、その炉を破壊しようと潜入している可能性が高い」

レオンは、五極の調和の力を全身に纏った。「最後の戦いの場所は決まったようですね。俺は、世界の運命を賭けた最終決戦に向かいます」

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