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ダンジョン・アカデミア  作者: 綾瀬蒼


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34/40

34.古代の鎧と五極の調和、真の覇王覚醒

1. 最後の番人と五極の戦術

レオンは、謎の学者の助言に従い、五属性統合のマナの力を駆使し、巨岩ゴーレムの土の『静止』を破る戦術を練った。ゴーレムは、その巨体から、通路全体を押し潰すほどの重力と土のマナの圧力を継続的に放出し続けていた。

「レオン、ゴーレムの重力防御結界は、土の核の力で強化されています!ただの貫通では、マナのエネルギーが重力に圧縮され、結界を破る前に自壊します!」リゼルは、重力に耐えながら、ゴーレムのコアの防御周波数を解析した。

「分かっている。だからこそ、俺の力は『貫通』ではない『崩壊』を目指す!」

レオンは、自身のコアにある五つの核のマナを、水の柔軟な浸透力と、風の拡散と加速という、最も土の『静止』と相性の悪い二つの特性に瞬時に位相変換させた。

「水よ、ゴーレムの防御結界の最小の隙間に浸透しろ!風よ、その水滴をマナの壁を貫く超音速で拡散させろ!」

超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーター――究極奥義、『位相崩壊フェイズ・ブレイク』!!

レオンが放った漆黒の稲妻は、先端が水の柔軟性を帯びた『浸透膜』となり、ゴーレムの重力防御結界の微細な隙間をすり抜けた。結界の内側に到達したマナは、すぐに風の特性に変換され、超音速の『気体パルス』となって、ゴーレムのコアへと直行した。この「浸透→加速→崩壊」の連鎖こそが、レオンが編み出した、静止したマナを内部から流動化させる究極の応用技だった。

ゴゴゴゴォッ!

ゴーレムは、マナの固定を失ったことで、巨大な岩塊となって崩れ落ち、その敗北は、大地の迷宮全体に響き渡った。


2. 五芒星の調和と土の核の獲得

ゴーレムの残骸の中から、レオンは最後の鍵である茶色く輝く「土のアース・コア」を回収した。

土の核を手に取った瞬間、レオンのマナコア内部は、破滅寸前の臨界状態から、一気に完璧な安定へと移行した。影(静謐)、炎(活性)、水(柔軟)、風(拡散)、そして土(固定)の五つの極端な属性が、調和の器の作用のもとで、美しい「五芒星の調和ペンタグラム・ハーモニー」を形成した。

彼のマナの奔流は、もはや一つの属性に偏ることなく、宇宙の法則そのものを体現したかのような、完全な『覇王のマナ』へと昇華した。レオンが放つオーラは、以前よりも遥かに深く、静謐でありながらも、圧倒的な『世界の支配者』たる威圧感を周囲に放っていた。

「レオン!見事です!五つの属性の調和、達成しました!貴方のコアは、完全に安定し、もはや誰にも崩せない!」リゼルは、この歴史的な瞬間に立ち会い、興奮に震えていた。


3. 古代の鎧と覇王装備の真の姿

土の核の横には、謎の学者が語った、古びた「黒曜石の鎧」が鎮座していた。その鎧は、見た目こそボロボロだったが、触れると内部に古代のマナが宿っているのが感じられた。

レオンが、五属性を統合した力を鎧に流し込むと、鎧は粉々に砕け散り、その破片は、光の粒子となってレオンの全身へと吸い込まれていった。

「これは…鎧がレオンの肉体と融合している!」リゼルが驚愕する。

鎧の破片は、レオンの肉体とマナコアに深く融合し、彼の体に、影の色の硬質な皮膚と、五属性の光を内包した「覇王の紋様」を刻み込んだ。それは、単なる防具ではなく、五属性の力を制御する「肉体の外骨格」へと変質したのだ。

レオンの体には、以前の能力の奔放さが消え、研ぎ澄まされた『制御された力』が宿った。彼は、自身のマナの奔流が、もはや調和の器に依存するのではなく、自分自身が調和の器そのものになったことを理解した。

彼は静かに目を閉じた後、その巨大な力を解放した。迷宮に張り巡らされていた土のマナの拘束は、彼の覇王のマナの波動によって、一瞬で霧散した。


4. 謎の学者の正体と最後の助言

その時、ゴーレムの残骸の奥から、再び謎の学者が姿を現した。彼は、レオンの覚醒した姿を見て、満足そうに頷いた。

「見事だ、調和された覇王よ。これで、『五極の調和ペンタ・ハーモニー』は達成された」

リゼルが尋ねた。「貴方は一体何者なのですか?なぜ、私たちに助言を?」

「私は、古代文明のマナの法則を研究している者だ。そして、私は、この覇王装備の真の目的を知っている」学者は、レオンを指差した。「君が手にしたのは、五つの元素の核、そして『属性の干渉を防ぐ鎧』。これで、君の力は完全だ」

彼は、真剣な眼差しでレオンに語りかけた。「しかし、君たちの戦いは、まだ終わっていない。解放派が核を狙った真の目的は、この世界を覆う『マナの抑制システム』を破壊することだ。彼らのやり方は間違っているが、彼らの訴える世界の真実は、虚偽ではない」

「世界の真実…」レオンは、翠緑のストラテジストが最後に残した言葉を思い出した。

「覇王装備が、五つの核を集めることを『義務』とされていた理由は、この世界を管理する『中央システム』にアクセスし、その抑制を解除するためだ。君は、この力を使って、世界を抑制から解放するか、それともこのまま抑制を継続するか、という究極の選択を迫られることになるだろう」

学者は、レオンの覚悟を試すように、重い言葉を残した。

「学院に戻るのだ。そして、君の師や仲間たちに、この真実を問い詰めるがいい。君の真の戦いは、ここから始まる」

学者は、古代の術式で迷宮の壁に小さな転移ゲートを開き、レオンとリゼルに脱出を促した。レオンは、五属性を統合した力と、「世界の真実」という新たな重荷を背負い、学院へと帰還する決意を固めた。

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