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ダンジョン・アカデミア  作者: 綾瀬蒼


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30/40

30.水の迷宮、影炎と紅蓮の再戦

1. 極寒のアクア・ドーム

レオンとリゼルは、北方の氷に覆われた海域に位置する「水の迷宮:アクア・ドーム」へと転送された。ダンジョンは巨大な氷塊の内部に存在し、内部の通路は凍てついた氷でできていた。外部とは比べ物にならない極度の低温が、体内の熱を急速に奪っていく。

「レオン、気温は外部の環境マナの影響で瞬時に零下50度を下回ります。炎の迷宮とは正反対の環境です」リゼルは耐寒仕様のローブを纏いながらも、身を震わせた。

レオンは、覚醒させた「蒸気のマナ(スチーム・マナ)」を全身に纏わせた。白い半透明の霧が、彼の体温を一定に保ち、極寒から彼を守る。この蒸気のマナは、炎の核の活性と調和の器の静謐が統合された、まさに「水と炎」の性質を併せ持つ第三の力だった。

「リゼル、大丈夫だ。この蒸気のマナは、熱を保ちながら水にもなる。この環境に『適合』している」レオンは、安定した力を感じながら頷いた。


2. ゲイボルグの復讐と罠

迷宮の通路を深く進むと、レオンとリゼルの前に、再び紅蓮のゲイボルグが立ちはだかった。彼は全身に新たな治癒術式を施しており、以前の憔悴した様子はなかったが、その眼には深い憎悪が宿っていた。

「待っていたぞ、影の異端者。そしてヴァイスベルクの娘」ゲイボルグは冷たく言い放った。「まさか、お前が炎の核を手にしながら、この『水のマナ』が充満したダンジョンに来るとはな。愚かだ」

「ゲイボルグ!なぜここにいる!」リゼルが警戒を強めた。

「復讐だ。そして、お前が持つ調和の器を奪う」ゲイボルグは、手のひらに圧縮した炎のマナを収束させた。しかし、彼のマナは周囲の極寒のマナに触れると、すぐに冷やされ、不安定になる。

「この環境では、貴方の炎の魔法は力を失います」リゼルが解析盤でゲイボルグのマナの弱体化を読み取った。

「馬鹿め。私が単独で炎を使うとでも思ったか?」ゲイボルグは不敵に笑い、氷の通路を指差した。「この迷宮は、私の最高の『舞台』だ」

次の瞬間、迷宮の氷の壁全体が青白く発光し、通路の床から大量の「氷結の槍」がレオンたちに向かって射出された。それはゲイボルグの魔法ではなく、彼が予め仕掛けた「迷宮の環境マナを誘導する術式」だった。


3. 蒸気のマナ、攻防一体

「レオン!周囲の氷のマナが、ゲイボルグの術式によって誘導されている!避けきれません!」リゼルが警告する。

レオンは即座に反応した。彼は「蒸気のマナ」を、自身の周囲に展開。白い霧状のマナは、氷結の槍が接触した瞬間に、槍の先端を急速に「溶解」させ、同時に熱を奪い取って「氷の防御壁」へと変質させた。

ガン!ガン!ガン!

氷結の槍はレオンの防御壁に命中し、砕け散る。

「なんだと…水と炎の特性を同時に使った防御!?溶解と氷結を一瞬で!?それが、炎の核の力か!」ゲイボルグは驚愕した。

「リゼル!今のうちだ!水の核の場所を特定しろ!」レオンは蒸気のマナを足元に集中させ、氷の床の上を滑るようにゲイボルグへと突進した。

ゲイボルグは、レオンの突進を止めようと、周囲の氷の壁を炎のマナで一気に「蒸発」させ、通路全体に濃密な霧を発生させた。

「見えない状態では、貴様の貫通力は意味がない!」


4. リゼルの誘導と、水の核の輝き

濃霧の中で視界を失ったレオンに対し、リゼルは瞬時にマナ解析でゲイボルグの位置を特定した。

「レオン、左前方にゲイボルグ!そして、水の核の反応を確認しました!彼の真下、氷の床の最深部にあります!」

「分かった!」

レオンは、もはや目で見る必要はなかった。彼は蒸気のマナを指先に収束させ、超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーターを発動。漆黒の稲妻は、炎の熱と水の柔軟性を併せ持ち、濃霧を突き破った。

ゲイボルグは、稲妻が自分のコアを貫く前に、全身の炎のマナを防御に集中したが、レオンの蒸気のマナは、彼の炎をすり抜け、さらに氷の床を貫通した。

ズドォン!

ゲイボルグは再び沈黙し、氷の床には、彼の真下にあった水の核を封印していた結界が、レオンの一撃によって破壊された穴が開いた。青く輝く「水のウォーター・コア」が、極寒の通路で静かに脈動していた。

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