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ダンジョン・アカデミア  作者: 綾瀬蒼


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23/40

23.調和の器の獲得と、解放派の最終追撃

1. 静寂の中の調和の器

炉心の番人を打ち破った後、巨大な空洞は静寂に包まれた。煮えたぎっていた影のマナの渦は消え失せ、周囲の熱気も急速に冷め始めている。レオンは、全身の力を振り絞り、崩れかけたリゼルを支えながら、炉心の中央に目を向けた。

そこには、番人の守護から解放された調和の器が、穏やかな光を放って浮遊していた。それは、手のひらに乗るほどの大きさで、銀色に輝く単純な形状をしていたが、周囲の空間を安定させる「静謐なマナ」を放ち続けていた。

「リゼル、あれが……」

「ええ。間違いありません。覇王装備の真の力『完全起動条件』。影のマナの暴走を防ぎ、その力を調和させるための鍵です」リゼルは、疲労で息も絶え絶えだったが、その瞳は達成感に満ちていた。「レオン、急いで。それを手に入れるのです」

レオンは、リゼルを岩陰に座らせると、一歩ずつ慎重に調和の器へと近づいた。器は、一切の防御術式を持たず、レオンの手に吸い寄せられるように収まった。

器に触れた瞬間、レオンの全身を激しいマナの奔流が駆け巡った。彼のマナコアに宿る荒々しい影のマナが、調和の器から放たれる静謐なマナによって、強制的に「矯正」される感覚。

「うっ……!」レオンは膝をつきそうになったが、その苦痛は一瞬で終わった。彼の影のマナは、荒々しさを保ちながらも、制御可能な安定性を獲得したのだ。

(これが、調和の器の力……!)

レオンは、自分が一皮むけたことを実感した。故郷を救うための、絶対的な力が、今、手に入った。

2. 最終追撃の開始

レオンが調和の器を獲得し、安堵の息を吐いた、その瞬間。

炉心の崩壊した入り口から、激しいマナの波動と、複数の足音が響いた。

「やはり、先に着いていたか、リゼル・ヴァイスベルク!」

現れたのは、解放派のリーダーと、さらに増強された五人の上級魔術師たちだった。彼らは、クロードの妨害を排除し、最短ルートで炉心へと到達したのだ。

「遅かったな、解放派の連中」レオンは立ち上がり、調和の器を握りしめた。

リーダー格の魔術師は、レオンの手に輝く器を見て、歓喜と憎悪の混じった表情を浮かべた。

「それだ!『調和の器』!それを渡せば、お前は我々の派閥の英雄として、未来を約束される!お前の持つ制御不能な影のマナと、この器があれば、我々は学院を支配できる!」

「ふざけるな!」レオンは激昂した。「俺の力は、お前らの支配欲のためにあるんじゃない!故郷を救うためだ!」

「愚か者め!」リーダーは、冷酷な目でレオンを射抜いた。「お前の故郷など、影のマナの奔流に飲み込まれて消える運命だ!その力を、我々の大義のために使え!」

解放派の魔術師たちは、レオンとリゼルを包囲した。彼らの背後には、逃げ場のない煮えたぎる炉心の跡地がある。

3. 三つ巴の最終局面

リゼルは、岩陰から立ち上がり、最後の力を振り絞った。

「レオン。彼らに器を渡してはいけない!貴方の力が彼らの手に渡れば、彼らはこの影のマナを世界中に解放しようとする!制御された超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーターで、彼らを打ち破るのです!」

「支配などさせない!」

レオンは、調和の器がもたらした「安定した影のマナ」を、初めて全身に感じながら、指先に集束させた。漆黒の稲妻が、以前よりも遥かに静かに、しかし強力に輝き始めた。

「やるぞ、リゼル!故郷へ帰る道は、俺が開く!」

レオンとリゼルは、消耗しきった体で、多数の上級魔術師を相手に、最後の戦いに挑むことになった。彼らの目の前には、故郷への道と、世界を巻き込む陰謀が横たわっていた。

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