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ダンジョン・アカデミア  作者: 綾瀬蒼


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13/40

13.貫通力の完成と、封鎖された上級ダンジョン

1. 貫通力の完成

リゼルとクロードの指導の下、数週間に及ぶ特訓は、レオンの肉体的、精神的な限界に挑むものだった。リゼルは、解析データに基づき、レオンが影のマナを純粋に抽出し、流動性を保ちながら指先に超収束させるための最適な「呼吸法」と「魔力経路」を確立させた。

そしてついに、特訓の最終日。

「レオン。最大出力で放て。ただし、収束率を限界まで高めること。結界は私が維持します」リゼルが緊張した面持ちで指示した。

レオンは、故郷の村の光景を思い浮かべた。焦燥感を力に変えるトリガー。しかし、その力はもはや暴走ではない。

影のマナがコアから全身へと流れ出す。それは雷雲のような荒々しさを保ちながらも、リゼルの理論で確立された、緻密な「経路」を通ってレオンの指先へと導かれる。

超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーター!!」

漆黒の稲妻は、以前の比ではない。発射された瞬間のマナの収束は、周囲の空間の光さえも捻じ曲げるほどであり、訓練室の分厚い結界に当たると、轟音ではなく、澄んだ金属音が響いた。

結界は崩壊せず、代わりに、着弾点に、まるでレーザーで穿たれたかのような、完全な円形の焦げ跡が残った。その深さは、リゼルが用意した最高の防御結界を、理論上の限界近くまで削り取っていた。

リゼルは解析盤の数値を確認し、静かに頷いた。

「成功です。レオン。貴方は、理論的に最高の超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーターを完成させた。貴方の影のマナは、もう暴発の危険はありません。強力な貫通力として、完全に私の理論の制御下にあります」

「やったな、レオンくん!」クロードが笑顔で言った。「これで君は、ただの破壊者じゃない。『漆黒の穿孔者しっこくのせんこうしゃ』だ」

2. リゼルが計画する潜入ミッション

目標を達成したリゼルは、すぐに次の段階へと移行した。

「レオン。貴方の故郷を救うため、そして父の理論の謎を解くため、いよいよ行動を起こします。目標は、王立図書館の極秘書庫に封印されている、『上級ダンジョン:魔女のウィッチズ・フォージ』に関する古文書の回収です」

「上級ダンジョン……?」レオンは聞いたことのない名前に驚いた。

「はい。そのダンジョンは、影のマナが最も強く発生する場所の一つとされており、古文書には、覇王装備の『起動条件』、特に影のマナを完全に制御するための鍵となる情報が記載されている可能性があります」

リゼルは冷静に説明した。「その書庫は、学院の教授陣、特に解放派の影響下にある者たちによって厳重に封鎖されています。通常の手段では閲覧は不可能。私たちの目的は、その封鎖を突破し、古文書の情報を短時間で複製することです」

これは、学院の秩序とルールを無視した、明らかな潜入ミッションだった。

「アルベルトの背後にいる解放派は、貴方を手に入れようと動いています。彼らより先に情報を掴まなければならない」リゼルはレオンを見た。「貴方の超収束貫通型ハイパー・フォーカス・ペネトレーターは、このミッションのために完成させた『究極の鍵』です。どんな強固な魔力的な封印も、貴方の貫通力ならば一瞬で無効化できる」

3. クロードの秘密の指導

リゼルが緻密な計画を説明している最中、クロードはレオンを袖で招き、リゼルに聞こえないよう耳打ちした。

「レオンくん、リゼルちゃんの計画は完璧だ。だが、一つだけ欠けている。それは、不測の事態だ」

「不測の事態?」

「ああ。上級ダンジョンの情報が載った古文書は、強力な呪いや罠が仕掛けられている可能性が高い。リゼルちゃんの『安全な防御理論』では、それらの異質な罠を完全に防げないかもしれない」

クロードは、レオンの手に、小さく乾燥させた薬草の葉を握らせた。

「だから、君にはリゼルちゃんに内緒で、もう一つ訓練をしてもらう。『流動』をさらに高めた、『影のマナによる瞬間的な環境適合シャドウ・アダプト』だ。この薬草を服用して、今夜、訓練場の裏で待っていろ」

クロードは悪戯っぽく笑った。「君の超収束貫通型は『鍵を開ける力』。だが、君にはもう一つ、『罠を避ける力』が必要だ。さあ、夜の特訓の時間だ」

レオンは、リゼルの指示に従いながら、クロードの秘密の訓練にも応じるという、二重のスパイのような状況に置かれた。故郷への切迫した思いが、彼を危険な道へと突き動かす。

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