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カクシカク


 わたしを生んだ

 親は


 とおい空のむこう

 

 計り知れない

 景色のむこうがわ


 思い出せるもの

 なにも残されてない


 頬に傷があるけど

 その方の顔も


 傷あとつけて

 わらっているのだろうか



 眠りにつけば

 わすれてしまう


 ゆめの中を

 しあわせのはなし


 しあわせの外から

 ゆめを見つめる


 だれかと話した

 まぶしい季節


 過ぎ去るはやさ

 まるで宇宙のなりたち


 見つめるだけの

 観客のように


 あなたはわたし

 生んだ季節


 旅立ちの日から

 数えてますか



 お腹がなると

 遠ざかるのよ


 このゆめの景色


 しあわせのうた

 いとしい景色


 あなたが聴かせた

 子守うたを


 もういちど

 そばで


 えがおとぬくもり

 消えぬうちに


 胸から冷めぬうちに


 あなたの面かげ

 わたしに見せて


 いつまでも待つわ

 かくれんぼ好きなのね


 おいていった

 そのわけ


 問わないで 

 あげるから



 星よ

 空のほしよ


 降りそそぐなら

 届けてほしい


 わたしを生んだ

 親のこえで


 しあわせの時間

 もう切り取らないで

 

 わたしもうたう

 あなたに届けと


 まぶしい朝を

 待つだけの日々に


 ピリオドをうつ

 その日のために



 あの方のうた

 きっと聞かせて


 この草原をねぐらにして


 妻子とはぐれても

 さがさず待つわ


 守るものから

 まもられる側へ


 あなたの胸に

 抱かれてみたい


 それだけで

 満たされる


 気持ちが

 やわらいでくるの


 お腹はなる

 壊れ知らずよ


 わたしはケモと

 呼ばれるいのち


 並の人とは

 しぶとさ桁ちがいなの


 見守っていて

 ねがいを星に


 かけて今日も

 人里に出掛けて


 人の子を狩る


 喰らって生きる

 すすって延ばす


 ケモのいのちは

 そうして

 つむがれる


 

 


 おわり。

 

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