右巻きか 左巻きか
世界のロールケーキやぐるぐるソーセージが
右巻きか 左巻きかの派閥で争ってるとき
鉄火巻きや カッパ巻き
海苔巻きの多くは静観を決め込んでいた
やつらはひとたび ひっくり返れば
右巻きだったものが左巻きに
左巻きだったものが右巻きに
鏡に映しでもしたかのように変わるやつらで
寝返りや 裏切り
あとで戻るつもりなのに
いったんひっくり返って 反対巻きになってみせての
謀りなんて日常茶飯事
あるいはじぶんでどっち巻きかは自覚しないで
倒れ込んだほうにまかせて
右巻きか 左巻きか振り分けられるのを
よしとしてしまう連中だっているくらい
そのくせ いざ「どっち巻き」論争が巻き起これば
きっちりと 右巻き 左巻きに派閥が割れる
カリフォルニア・ロールや伊達巻きだって
事情はいっしょだ
だけど鉄火巻きや カッパ巻き
海苔巻きの多くはそうでもなく
生まれをよく調べれば ほんとはどっちか巻きなのに
それを表に出さないで
まるで どっち巻きでもない顔をしてる
右巻き 左巻きの両派閥からは
どっちつかず巻きだなんて揶揄されるけど
べつに気にしない
だって 世の中は
どっちかにわかれなきゃなんないわけでもなく
どっちでもない もしくはどっちでもある
そんなありかた そんなありようだって
ゆるされるはずだから
むしろ たおれかたひとつ
ひっくり返った回数ひとつで決まってしまう
右巻き 左巻きにそれほどの意味があるだろうか
どっち巻きでもない海苔巻きの多くは
そんな想いをしてるように僕には見えた