贖罪への道
掲載日:2025/04/06
許されたい。
全ての罪から、許されたい。
思えば、生まれた瞬間から僕は悪だったのではないか。
そんな気さえしてしまう。
僕が生まれなければ、母さんは苦労することもなかった。
父さんと喧嘩することもなかった。
僕のいない世界線なら、
母さんは長生きできていたかもしれない。
かもしれない……全ては想像の域を出ない。
それでも、その可能性があるならば、
これは僕の罪だろう。
誰かを好きになっていいのか。
誰かに好きになってもらっていいのか。
僕にそんな権利はあるのか。
いや、あるはずがない。
僕は咎人だ。
生まれ落ちた瞬間から、悪の化身だ。
許しを請いたい。
しかしその母は、もう居ない。
僕は永遠に許されることはないんだ。
それが、咎人としての生き様か。
雨の音がする。
誰かが泣いているようだ。
天からの涙は、母のものか。
今日も僕は空を仰ぐ。
この苦しみが、永遠に続きますように。
僕は僕を許さない。
それを胸に、刻みつけるため。
僕は今日も、空を仰ぐ。
それなのに僕は、許されたい。
全ての罪から、許されたい。




