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贖罪への道

作者: 小田虹里

許されたい。

全ての罪から、許されたい。


思えば、生まれた瞬間から僕は悪だったのではないか。

そんな気さえしてしまう。


僕が生まれなければ、母さんは苦労することもなかった。

父さんと喧嘩することもなかった。


僕のいない世界線なら、

母さんは長生きできていたかもしれない。


かもしれない……全ては想像の域を出ない。

それでも、その可能性があるならば、

これは僕の罪だろう。


誰かを好きになっていいのか。

誰かに好きになってもらっていいのか。


僕にそんな権利はあるのか。

いや、あるはずがない。


僕は咎人だ。

生まれ落ちた瞬間から、悪の化身だ。


許しを請いたい。

しかしその母は、もう居ない。


僕は永遠に許されることはないんだ。

それが、咎人としての生き様か。


雨の音がする。

誰かが泣いているようだ。

(そら)からの涙は、母のものか。


今日も僕は空を仰ぐ。

この苦しみが、永遠に続きますように。

僕は僕を許さない。

それを胸に、刻みつけるため。


僕は今日も、空を仰ぐ。

それなのに僕は、許されたい。


全ての罪から、許されたい。

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