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~第一話~ 神谷天稀という男

第一話です!前日談読んでくれた人は、神谷天稀が“今”、どうなっているのか、どう登場してくれるのか、お楽しみください。

タッタッタッ

10もいかないほどの年頃の少女が走っていく。

(お母さん、どこ? お母さん...)

「ギャアアァァッ」

突然空から現れた怪物が少女を襲う。

「ひっ いやぁぁ!」

スパンッ

男が怪物を斬る。

「大丈夫か?嬢ちゃん。怪我はないか。」

「...へ? う、うん。大丈夫。ありがとう。おじさん。」

「うん。おじさん、ね。おれもそんな年なのか?まだ20代だぜ...っと、そんなことより、駄目だぜ?一人で出歩いちゃ。今回はたまたま俺がいたがよ。今の世界に、安全な場所なんてねえんだから。お母さんやお父さんはどこにいる?」

「ごめんなさい...お母さんと一緒にいたけど、はぐれちゃったの。」

「そうか。よし、じゃあ()()()()が、一緒に探してあげよう。お母さんはどっちに...」

ドォンッ

男はとっさに少女を抱えて避ける。

(ちっ嘘だろ!?なんでこんなところにブラックベアが?こんなの、俺じゃまるで相手になんねぇ化け物だぞ。一撃はなんとかなったが、それでもかすっちまった。なんつう威力。そんでまるで刃を通さない体。戦うなんて、この嬢ちゃん庇いながらじゃ数秒すら持たねぇ。)

「おじちゃん!」

「だからお兄ちゃ......大丈夫。かすっただけだ。すまねえが、お母さんは一緒に探せねぇ。とりあえず嬢ちゃんは逃げな。」

(くそ、くそ...俺も年貢の納め時かよ。けど、俺が死んだら嬢ちゃんも...っしまった!来るっ。)

グルゥァァッッ

ブラックベアが二人を襲う。

ズパァァンッ

(.........は?お、おいなんだ今の。ブラックベアを、打ち抜いたのか?方向的に、これはあの山からの狙撃。あそこからここまで、直線距離でどう考えても1km弱は離れてる。それを、俺の目が間違ってなけりゃ、ただの()()()()で......い、いやとりあえずはこいつの息の根を止めるのが先。こんな芸当、そこらの奴にゃ無理だが、それを考えても仕方ない。)

「うらっ」

男がクマにとどめを刺す。

「お、おじちゃん...」

「ああ、大丈夫。さあお母さんを探そう。」





「ふぅ、だいぶ良くなってはいるが、やはりまだまだ甘い。頭を狙ったのに胴体に当たった。おかげで一発で仕留められなかった。」

(魔力を溜める時間もあって、相手が攻撃する瞬間の隙を狙った、超好条件の攻撃だったのに。悔しいな。)

「...あっ。もうこんな時間...学校、遅刻...急げ!」


2年前、世界中で同時に起きた大災害、“ワールドディザスター”は、人口の三分の一の命を奪い、世界を物理的に破壊し、魔力の発生から怪物、“ヒルヴィオ”を生んだ。おかげで世界は混沌に落ちたが、同時に人間は、新たな力を得た。

一つは“魔力”。これは世界中に存在しているエネルギーであり力である。そして例外を除いたすべての人間が生成でき、特訓すれば扱える。エネルギーとして使ったり、体にまとわせて身体強化したり、一点に集中させて放つ、魔力射撃をしたり、応用方法は多様である。

そして一つは“魔法”。何らかの方法で描いた魔法陣に魔力を流すことで様々な事象を引き起こす。

さらに一つは“特有性質”。一般的に“特質”と略される。これは、数人に一人が持つという特殊能力。何ができるかは、それぞれ違い、火を操る特質、体を強化する特質、生物を生み出す特質など、様々。魔法と違い、魔法陣などを使う必要がない。


人々は、このような特殊な力を鍛え戦う者たちを総じてある名で呼んだ。

世界の状況を、自分の運命を覆そうとした者たちであることから、転覆者(オーバー・スロウワー)と。


つい先ほどブラックベアを狙撃した彼、神谷天稀(かみやあまき)も転覆者であった。

第一話です!主人公神谷天稀が登場しました。そして、魔力や魔法、特有性質などの能力も少しずつ。まあまだまだ始まったばかり。次は、場面が学校になるのでしょうか。神谷天稀は今高校2年生ですからね。引き続き、読んでいただけたら幸いです。

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