97 それは最後に そう決めてるの
女は真白いドレスを身に着けていた。
「どう? 驚いたでしょ。ピッタリフィットの花柄スケスケインナーだと思った? はい、もう武器は持ってないわよ」
しかも、女の声は電波を介していない。
柔らかい声だった。
ンドペキの喉から、思わず吐息が漏れた。
すでに緊張は緩んでいた。
「さあさあ、もういい加減に、そのきらびやかなスーツは脱ぎなさいよ。せめて、お顔は見せてね」
女はどこから出したのか、飲み物を手にしていた。
よく見かける清涼飲料水のボトル。
「そして、そこに。座って。話さなきゃいけないことが、たくさんある」
女は樹脂製のボトルから、グラスに水を注ぐ。
そうする間も、目をそらさない。
少しの間が空いた。
ンドペキは観念した。
装甲をすべて外し、それらを机の上に置くと、女の前に座った。
なんともいえない落ち着かない気分だったが、女はにこやかに微笑んで、グラスを滑らせてきた。
そしてようやく、視線を宙に向けた。
「さて、まずは、なぜここに案内したのか。そこから始めようか」
唐突に話し出した。
「待て。まず、君が誰なのか、それから始めてくれ」
女は、ぐっと顔を近づけてきて、
「わからないかなあ」と、笑った。
フッと、いい香りがした。
「でも、それは最後に。そう決めてるの」




