726 新しい暮らしに慣れる頃には、何とかなるのだろう
アヤの回復は目覚しく、作ってもらった義足を使いこなしている。
かつて兵士だった経験も手伝って、今では立派な後方隊員。
ただ、やはりイコマをおじさんと呼ぶ。
もちろん、それでいい。
アヤとチョットマは互いに姉妹と言い合って、仲がよい。
アヤが、聞き耳頭巾の布をチョットマに使わせようとするが、勘弁してと逃げ回られている。
スゥは、自分の気持ちをさらけだしたことによって、吹っ切れたのだろう。
物資調達に情報収集に、街にエリアREFにと、飛び回っている。
ユウは、連日、イコマのバーチャルな大阪の部屋にやってくる。
ややもすれば、そこが作戦会議室になってしまいそうになるが、できるだけそうならないように、ふたりの時間を恋人らしく過ごそうと努めている。
地球に帰還したパリサイドの中での自分の立ち位置について、ユウは多くを語らない。
しかし、イコマは楽観していた。
もう絶対に離れない。
離れるものか。
そして、ンドペキは。
ユウとスゥのどちらをとるのか。
正直に言うと、決めあぐねていた。
アギのイコマとの同期は、こちらもまだ完全とはいかないようで、相変わらず、ふたりの意識が同居した状態のままだった。
自然と、アギのイコマはJP01すなわちユウと。
ンドペキはスゥと。
そんな棲み分けができつつあった。
ユウもスゥも、この状態をなんとなく受け入れているようだった。
それはそれでいい。
街を奪還し、人々が新しい暮らしに慣れる頃には、何とかなるのだろう。




