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722 誰かを慮って、は、できないアンドロ

 最も可能性が高いと感じたのは、復讐です。

 レイチェル長官に対して。


 自分を人形として扱い、強制死亡処置にし、ンドペキへの想いといった大切な記憶を消し去ってしまおうとしたレイチェル長官に。



 そのような思念、もっといえば思いつめた強い感情が、再生時に彼女の脳にインプットされたのではないでしょうか。

 感情といった曖昧なものではないかもしれません。

 もっと強い、あるいは狂った、そんな強迫観念がサリに埋め込まれたのかもしれません。


 先ほども申し上げたとおり、サリの再生はレイチェル長官が指示されたものではありません。

 それができるのは、今や暫定長官となったタールツー、あるいはその周辺の幹部だけです。


 むろん、レイチェル長官を亡き者にすることは、タールツーにとって非常に好都合。

 そして、その刺客に、サリは適任。

 この洞窟に、大手を振って入ることができます。

 そして、容易にレイチェル長官に近付くことができるのです。



「だからこそ、ここまで来たのに……」


 ハワードがまたむせび泣いた。



 もうこれで十分だ。


 ハワードよ。

 これ以上、話さなくてもいい。

 傷つく人が増えるだけだから。



「ということだったのです」

 イコマはそう言って、締めくくろうとした。


 しかし、アンドロ、ハワード。

 几帳面なアンドロ。

 誰かを慮って、ここで話を終えることは、できないアンドロ。


 ポツリと言った。


「残された任務は」

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