719 私の任務は消滅した
「ここから先は、ハワード自身に話してもらった方が正確でしょう」
イコマはハワードに説明を促した。
ハワードの任務。
長官のシークレットサービスの一員として。
レイチェルから指示された秘密の指示。
イコマはこの内容に確たる考えを持っているわけではなかった。
状況を積み上げると、そうに違いないと思うばかりで、証拠は皆無。
それに、それはンドペキにも関わること。
ひいては他の隊員にも関わること。
だからこそ、ハワードの口から話して欲しいと思っていた。
ハワードは、もう泣いてはいない。
さっぱりした顔で、しかもクリアな瞳でフライングアイはじめ、作戦会議室の面々を見つめている。
自分の出番があるのではないか、と期待さえ込めた表情で。
「レイチェル長官が殺されてしまった。そうなった以上、私の任務は消滅したといえるでしょう」
予想通り、そう言ってハワードが説明を始めた。
「先ほどのイコマさんの推理に感服いたしました。おっしゃるとおり、サリはレイチェル長官のクローンです」
ハイスクールの最終学年、卒業直前に編入いたしました。
レイチェル長官とあまり大きな年齢差があると……。
「ううっ」
と言うなり、突っ伏してしまった。
そして、おいおいと泣きだした。
子供のように、口を開けて。
イコマは驚かなかったが、ロクモンなどは思わず手を差し伸べかけ、スジーウォンは目を剥いた。




