718 ハワードの嘘
フライングアイの言葉に、隊員達の目が部屋の隅に蹲ったアンドロに向けられた。
「ハワードに、僕は謝らなくてはいけない。彼は、正真正銘のレイチェルの部下。というより信奉者と言っていいかもしれない。レイチェルを追って水流に飛び込むなんて」
ハワードは依然として頭を抱えたままだったが、ゆっくりと顔を上げた。
「だが彼は、僕に嘘をついていた。その嘘に気付いて、僕はあることに気付いた」
ハワードはサリの消息について調べてみると言いながら、これといった報告はなかった。
僕は、彼が隠しごとをしているのではないかと感じ始めた。
なぜ、隠す必要がある。
サリの件は、アヤ、つまりハワードにとってのバードの失踪に関係しているようでもないのに。
ハワードは情報局の一職員とはいうものの、特殊な情報も持っているのではないか。
僕はそう感じ始めていた。
当初、ハワードは、レイチェルは雲の上の存在で、自分は近付くことさえできないと言った。
しかし、アヤはこう言ったのだ。
ハワードがレイチェルとふたりで話しているのを、何度か見かけたことがある、と。
そして現に、洞窟にやってきたとき、レイチェルは上機嫌で出迎え、話したいことがあると言った。
ハワードはハワードで、ンドペキに、あなた個人に関わりのある任務であると仄めかした。
では、ハワードの任務とは、どういうものだったのか。




