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712 強制死亡処置リストには?
では、人ではなく、殺傷マシンなどに殺された場合。
自動的に再生処理が行われ、記録に残る。
しかし、記録にはない。
死亡ではなく、自発的な失踪ではないかという疑問も残るが、これはありえない。
なぜなら、KC36632が、人が死んだときに送られる次元の隙間でサリを見ているからだ。
失踪ではない。
つまり、サリの死亡は強制死亡処置しか考えられない、ということになる。
いわゆる、消去。
では、強制死亡処置リストには?
だが、ここにもサリの名はなかった。
さて、視点を変えて、もうひとつ、問題提起をしておく。
僕は、サリの情報の少なさに疑問を持った。
ハワードによれば、全世界の基本のデータベースに、彼女の情報がないという。
この地球に生まれ、社会の一員として生きていくには、そのデータはなくてはならないもの。
アクセスIDというような、使い捨ての番号とは違う。
極めて厳密に管理されたこの世界で、最終的に個人を特定する、大元の原本データ。
これがない。
これは、何を意味するのか。
サリは、マトでもメルキトでもない、つまり連綿と続くヒト再生システムから外れた人物ではないか。
と、思い至るわけです。
「サリの事件は、この辺りでひとまず置いておこう」




