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7 さあ、ちょっと落ち着いて

 誰かがやられる。

 これは、珍しいことではない。

 毎日のように起こるかというと、そうでもないが、チョットマ自身もついひと月ほど前、手に負えない相手に挟まれてしまい、命を落としそうになった。


 たとえ死んでも、政府が管轄する再生機構によって、たいていの場合、数日後にはほとんど元のような体となって街に出て行くことができる。

 先日も同僚の隊員が死んだが、三日後には再生され、その二日後にはいつものように瓦礫の山に突入している。


 甦ったのか、というとそうではない。

 再生されたのである。



 しかし、サリが死んでから、既に七日も経っていた。



「ね、パパ。仲間のみんなは、サリは政府に殺されたんだって騒いでる。ね、こんなことってある?」


 イコマは迷った。

 どう応えてやるべきか。


「みんなは、どう言ってるんだい?」

 チョットマは苛立ちを隠そうとせず、

「知ってることがあるのなら、教えてよ!」

 と、金属的な声で叫ぶように言った。

 


 政府による処分?

 なんらかのペナルティ?

 ただ、どんな違反行為による処分なのかというと、全く見当もつかない。


 軍としての行動は既に無くなって久しい。

 戦争ないし紛争らしきものは、ここ三百年以上、ない。

 連日、瓦礫ヶ原に巣くう先時代の殺傷兵器の始末と有用金属の回収という「任務」をこなすだけの毎日である。

 軍には半ば愚連隊にも劣る堕落した者たちも多い。

 しかし、東部方面攻撃隊は違う。中でもサリは、規律を守り、成績も優秀な第一級の戦士。


 そんなサリが、再生不可処分になるほどの、どのような不始末をしでかしたというのだろう。



「サリという子の処分について、僕は知らない。ただ言えることは、ペナルティによる再生不可処分しか考えられないかというと、そうでもない」

「どういうこと?」


「君も勉強しただろ」


 チョットマが肩を落とし涙ぐむ。

「私さ…」

「ゴメン。さあ、ちょっと落ち着いて」

「うん…」

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