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693 私は、感じていた あなたの苦しみを

 ユウがスゥに声を掛けた。


「私達の意識は、上手く同期しなかったみたいね」


 もうスゥは、泣きじゃくっていた。

 また、首を激しく振った。


「違う。同期している! 今、ユウが考えていることは、私自身の考え。私自身、何の違和感もない。でも、でも!」

「だから、上手くいかなかったのよ。スゥ、あなたは、あなたであり続けようとしている」


「違う! 私は三条優! でも……」

「苦しいよね……」

「ううん。だから私は、もう……」



 ユウが大きく溜息をついた。



「あなたはわかっているのよ。自分が三条優じゃないことが。だから苦しんでいるのね。ユウであることが受け入れられないのよ」

「そうじゃない……」


「私は、感じていた。あなたの苦しみを。だって、あなたは私だもの。ね、シリー川の会談のとき」

「あれは……」


「でしょ。あなたは私にンドペキを取られてしまうことに我慢ができなかった。ノブと交わした約束、最初にキスしようねという約束。あのステージの上で、あなたはそうなることに我慢がならなかった。だから、発砲した」



「ああああっ! そういう……」


 なんとあれは!

 ンドペキは、心に鉄の楔を打ちつけられたような気がした。



「あなたは私自身。その気持ちはひしひしと伝わってきていたのよ。私自身の気持ちとしてね」

 ユウは穏やかに言うが、その目にも涙があった。


「あのことがあって、私はあなたとの同期が完全ではないと気付いた。スゥはスゥの意識に従って行動しているということに」


「そうじゃない……」

「ううん。無理しなくていいのよ」


 ユウはあくまで優しくスゥに語り掛けていた。


「ねえ、スゥ。ノブとンドペキはどうなっていくと思う?」

「…わからない」


「でしょう。私とあなたが完全に同期できていれば、わからないなんて言い方はしないはず」

「……」

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