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689 スゥ、キスしよう

 またもや、六百年前の話。


 それがどうでもいいというわけではないが、スゥは今の俺が好きになった人!


 やめてくれ……。

 もうそんな話は……。


 元はといえば、という台詞は、ことスゥに関しては当てはまらないで欲しかった。



「ユウである私は、自分のクローンを作った。将来、どこかでノブと再会するために」



 もう話さないでくれ!

 もう、いいんだ!

 俺は、今のスゥが好きなんだ!



 しかし、無情である。

 スゥは、いやユウにとって、話さないでは済まされないことなのだ。



「ところが、私はミスをしてしまった……」


 肩を震わせるスゥを今ここで抱きしめたいと思った。

 そしてキスしたいと思った。

 それが約束だ、と思った。



「当時のアギやマトの製造技術は未熟だった。だからクローンは、かなり若い、そう、最初にノブと出会ったころの自分として作った。そうすれば、技術が進んで正確な私が作られるようになってからマトになればいい、と思ったから」


「スゥ、キスしよう」

「うん」


 短いキスを交わしたスゥは、思いつめた者の目をしていた。

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