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687 あなたは強い人ね
ユウの声は、心なしか冷たく聞こえた。
事務的ともいえる。
今日は大阪イントネーションはあまり出ない。
しかしンドペキには、それはユウが、努めて自分の心を抑えているからだとわかっていた。
ユウが、スゥを見つめている。
「スゥ。次はあなたの話」
スゥが体を震わせた。
ンドペキは、スゥの肩を抱く腕に力をこめた。
「スゥ、ありがとう。こう言うのも変だけど」
ユウの言葉に、スゥがまたいやいやをするように、体をよじった。
「泣いてばっかりじゃだめ。本当は、この話はスゥがしなくちゃ」
頬を伝う涙。
ンドペキはそれを装甲の指で拭った。
それがきっかけだったのか、スゥが口を開いた。
「私は、どうでもいい」
無理やり絞り出した言葉。
ユウが再び、穏やかに声をかける。
「あなたは強い人ね」
ンドペキは、これから語られる話からスゥを守りたいと思った。
それを言葉にした。
「ユウ、いやJP01、スゥをどうする気だ」
ユウは、ふうと溜息をつくと、
「どうもしないよ。彼女から話をする方がいいと思うから」




