679 長官から与えられた任務
大広間にいた隊員達が興味深げにハワードを見ている。
すでに、ハワードがしばらく滞在することになったと説明してある。
当然、ハワードがアンドロであることも。
コリネルスが洞窟で守るべき事項を説明し始めた。
明らかに憎悪の目、疑念の目を向けている者もあるが、総じて、仕方がないというムードだった。
「部屋の準備が整えば、同室の隊員が迎えに来る。その後は原則的に自由に過ごしてもらっていいが、当面は同室の隊員と行動を共にしてもらう」
「ご配慮、感謝します」
立ち去ろうとすると、呼び止められた。
「ンドペキ隊長」
「なんだ」
「長官から与えられた任務ですが」
と、小声で言う。
ンドペキは、それは聞かないでいた。
長官が直々、この男に指示したこと。
自分が聞いておかなければいけないことではない。
必要があればレイチェルから伝えられるだろう。
「内容を申し上げることはできません。ですが、これは承知しておいていただきたいのです」
ん?
ンドペキは向き合った。
「あなた個人に関わりのあることなのです」
と、言ったからだった。
「私が情報部の職員だからといって、あなたの身辺調査という類のことではありません」
意味がわからない。
「もちろん、あなたを窮地に陥れるという類のことでもありません」
「よくわからないが?」
「すべては長官のご意向です。ご存知だと思いますが、彼女は純粋です」
「それは承知しているつもりだ」
「よかった。私を信頼してください」
と、ハワードは笑みを浮かべた。




