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672 あんたが決めればいいんだ
というものだった。
ンドペキは、レイチェルとふたりでこの文書を読んだ。
心は決まっていた。
もちろん、許可する。
しかし、決めるのはレイチェルである。
「ンドペキ、どう思う?」
「自分で決めろよ」
「だって、もう再生されないかもしれないのよ。私はそのうち死ぬからいいけど、ンドペキ達はこれまでずっと再生されて生きてきたんでしょ。もともと、そういう取り決めだし」
確かに、マトになるときの契約はそうだ。
しかし、それはもう数百年の前のこと。今となっては……。
いや、人によっては、再生されないことに傷つく人もいるかもしれないが。
「緊急事態なんだ。そんなこと、言ってられないんじゃないか」
「ということは、ンドペキはパリサイドの申し出は許可ってことね」
「そういうことになる。ただし、あくまで個人的な意見だぞ」
「じゃ、マトの代表者はオーケーと。後はアギとメルキトね」
「何言ってるんだ?」
「書簡の冒頭に、親愛なるニューキーツのホメム、アギ、マト、メルキトの皆様って書いてあったもの」
「そんなこと、どうでもいい。あんたが決めればいいんだ」
「でもさあ」




